医療・福祉

外科医

げかい

医師の仕事の一つです

手術が必要な病気について検査結果や全身状態を確認し、手術方法を検討して執刀する医師。術前の説明、麻酔科医との調整、術後の経過観察までを担い、安全性と回復の見通しを判断する。

研修室で、女性の外科医が腹腔鏡手術の練習箱に器具を差し込み、モニターを見ながら操作の訓練をしている。
ほかの職業とくらべる

はじめに

病気を手術で治す方法を考え、患者さんに説明してから手術をするお医者さんです。手術が終わったあとも、傷が回復するか、食事や運動をいつ再開できるかを確かめます。手術室では麻酔を担当する人や看護師さんと協力します。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約1,512万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)ほぼ変わらない幅:少し下がる〜上がる
収入
専門手術と診療体制に必要な技能は価値を持つが、診療報酬や病院財政が実質報酬の増加を抑え得る。
需要
高齢化に伴う手術医療は残る一方、人口減少と手術施設の集約によって地域の需要は異なる。
人による差
人による差が広がる

ほかの職業の見通しを見る

今の外科医の仕事

今
  • 手術適応の判断画像や血液検査、持病を確認し、手術と薬などの治療を比較して適応を決める。
  • 術前の説明と同意手術の方法、回復までの期間、考えられる合併症と代替手段を患者に説明する。
  • 執刀と術野の確認解剖学的な位置を確認し、必要な組織の処置と止血・縫合を行う。
  • 術後の回復管理手術後の発熱・痛み・食事再開などを診察し、異常の兆候を評価する。
  • 症例カンファレンス麻酔科医、看護師、他科医師と手術計画と患者の治療方針を検討する。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 手術記録の整理 確からしさ:高 映像と計測データを統合して記録案を作る処理は自動化しやすい。

AIと協働

  • 画像からの術前計画の作成 確からしさ:高 三次元画像から切除範囲の候補を提示できても、患者の状態を踏まえる必要がある。
  • 手術支援ロボットの操作・監督 確からしさ:中 動作補正が進んでも、解剖学的な違いや想定外の所見への判断が要る。

人が中心

  • 術式と非手術治療の選択 確からしさ:高 利益と危険を比較し、本人の希望に沿って治療を選ぶ責任がある。
  • 術後の回復方針の決定 確からしさ:中 本人の生活条件と診察結果を考えて退院や経過観察を決める。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、外科医の一日(架空)

午前七時、二十代の外科医・真帆は手術室へ向かう前に、今日の患者の画像をもう一度確認した。予定されているのは、食事に支障が出ていた良性の病変を取り除く手術だ。三次元画像を使った計画では、細い血管の位置が色分けされている。しかし画像は患者の体のすべてを教えてくれるわけではない。真帆は麻酔科医と体位、出血を減らす手順を確かめた。

病室で患者に会い、術後いつ歩けるのか、職場にはいつ戻れるのかと尋ねられる。真帆は一般的な回復日数を示したうえで、体調によって変わることを説明した。画面に表示された予測だけで退院日を約束せず、本人の生活を聞く。患者が納得してから、手術室で器具と確認事項をチームで読み上げた。

手術中、支援ロボットが器具のぶれを抑え、拡大映像が細かな構造を見せる。真帆は画像上の目印と実際に見える組織を照らして進めた。進行中に予定と異なる位置に血管が見えたため、いったん操作を止め、指導医と観察方法を話し合う。手術時間を縮めるより、安全な経路を選ぶことを優先した。

午後、患者が落ち着いて休めているのを確認し、回復の記録を病棟へ引き継ぐ。真帆は手術動画から作られた記録案を見直し、判断を変えた理由を自分の言葉で補った。技術が進んでも、手術が必要か考える時間と、患者の不安を聞く時間は消えない。次の診察で確かめることをメモし、一日を終えた。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約1,512万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(job tag掲載の年収)
調査年
2025年
対象
job tag「外科医」に対応する職業分類の医師のうち雇用されている人。外科専門医だけの年収ではない。
税・賞与
税・社会保険料を引く前、賞与を含む
  • job tag「外科医」の2025年全国年収1,512.3万円を換算したが、内科など他の医師も含む統計分類の平均である。
  • 外科医だけを対象とした全国平均や、診療科別の雇用医師の中央値ではない。
  • 手術件数、病院の勤務体制、当直・待機の手当、勤務年数で収入は異なる。
  • 診療所や病院の開設者の事業所得は、この雇用者の平均年収とは異なる。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 高齢者の手術医療上がる方向

    高齢の患者さんを手術で助ける仕事は続きます。

    大人向けの詳しい説明

    手術前後の持病管理を含む複雑な症例に専門性が求められる。

  • 手術支援の設備投資どちらにも動きうる

    高い機械をどの病院でも使えるとは限りません。

    大人向けの詳しい説明

    地域の病院財政や専門医育成が導入速度と働き方を左右する。

  • 診療報酬と当直体制どちらにも動きうる

    仕事が増えてもお給料が同じように増えるとは限りません。

    大人向けの詳しい説明

    公定価格の診療報酬と労働時間の管理が給与原資を制約する。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 低侵襲手術と支援設備の普及

    条件設備投資と指導体制が整い、難しい手術に専門医が集中する。

    起きそうなこと高度な判断や指導を担う医師の価値が維持されやすい。

  2. 地域の手術体制が縮小

    条件人口減少と病院の集約で地域の手術件数が減り、病院間の移動が増える。

    起きそうなこと勤務先による手当差が広がり、地域で働く条件が厳しくなる。

  3. 診療報酬と病院財政が制約

    条件公的医療保険の価格と病院の人件費負担が厳しく管理される。

    起きそうなこと需要があっても給与にそのまま反映されず、実質報酬の伸びは限られる。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

高齢化によって手術が必要な患者が増える分野はあるが、人口減少で若年者の手術件数が減る可能性もある。手術支援技術が進めば一人当たりの対応能力が上がるものの、術前・術後の説明や観察は残る。

地方では病院集約と移動の負担が課題になり、大規模病院には専門医が集まりやすい。全国の需要は小幅増を中心に見つつ、症例分野と地域で幅が生じる。

働き方

総合病院や大学病院、地域の手術施設などで働く。外来、病棟、手術室を移動し、複数職種と計画を共有する。ロボット手術などの設備があるかどうかは施設ごとに異なる。

常勤医のほか非常勤の働き方もある。予定手術以外の夜間・休日の待機がある職場もあり、手術件数だけでなく休息と研修時間の確保が大切だ。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 医師免許を取得する大学の医学部医学科6年間を修了し、医師国家試験に合格して医師免許を得る。
  2. 臨床研修を受ける免許取得後、原則2年間の初期臨床研修で幅広い診療を経験する。
  3. 外科の専門研修へ進む外科専門研修プログラムで手術・術後管理の経験を積む。専門医認定には日本専門医機構の定める要件と審査がある。

今から伸ばしたい力

  • 解剖学的な違いを手術画像から読み取る力
  • 手術と他の治療を比較する臨床判断
  • 術前の説明と意思決定の支援力
  • 手術チームで確認を繰り返す協働力
  • 術後の経過から異常の兆候を見分ける力

出典と前提

最終確認日
2026年11月2日

出典

予測の前提

  • 2050年も外科手術の安全判断と患者の同意に医師が責任を負う。
  • 手術支援設備の普及には費用と専門職教育が必要である。
  • 高齢化と人口減少による手術件数の変化は分野と地域で異なる。

このページの更新

  • 初稿を公開

ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。