生活サービス

ペットショップの店員

ぺっとしょっぷのてんいん

販売員の仕事の一つです

ペットショップで犬や猫、小動物などの健康や飼育環境に気を配りながら、動物とフード、飼育用品を販売する仕事。生体の世話だけでなく、飼い主が責任をもって育てられるかを説明し、購入後の相談にも応じる。

男性のペットショップ店員が、小動物用の飼育ケージで水のボトルを交換し、ハムスターが過ごす環境を整えている。
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はじめに

犬や猫などの動物が元気に過ごせるよう、食事を用意したり、部屋をきれいにしたりする仕事です。動物の体の大きさや年れいに合うごはんや道具も案内します。かわいいからという理由だけで売るのではなく、長い間お世話を続けられるか、お客さんといっしょに考える大切な役目もあります。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約385万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)ほぼ変わらない幅:下がる〜少し上がる
収入
飼育管理と対面相談の専門性は残るが、用品通販との価格競争や施設維持費が賃金に回る利益を抑える。店長や専門スタッフと短時間勤務者の差が広がる可能性を踏まえ、平均的な実質収入は横ばいを中心にした。
需要
生体を扱う登録業者には管理が必要でも、用品の通販移行と人口減少に伴う来店販売の縮小が店員数を減らし得る。対面の飼育相談は残るため、小幅減を中心とした。
人による差
人による差が広がる

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今のペットショップの店員の仕事

今
  • 生体の給餌・給水と飼育ケースの清掃犬猫や小動物ごとに適したフードと水を用意し、寝床や床材を交換して清潔な飼育環境を保つ。
  • 体調・行動の観察記録食欲、排せつ、動き方などの日々の変化を記録し、気になることがあれば責任者や獣医師へ引き継ぐ。
  • 飼い主への飼育方法の説明動物の寿命、運動量、飼育スペース、食事や日々の世話を説明し、生活環境との相性を確かめる。
  • フード・用品の提案と在庫管理年齢や体重に合ったフード、ケージ、給水器などを選び、賞味期限と陳列数を確認して発注する。
  • 動物販売の法定手順の確認販売業としての登録、個体の情報、説明事項、犬猫の販売可能時期など、動物愛護管理法に沿った取り扱いを守る。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • フード・用品の補充数量計算 確からしさ:高 販売履歴と賞味期限から発注候補を出す仕事は自動化しやすいが、飼育中の動物の特別な食事は別途判断が要る。

AIと協働

  • カメラによる動物の行動変化の検出 確からしさ:中 映像から活動量の変化を知らせることはできても、体調やストレスの原因は人が観察し、必要なら獣医師につなぐ。
  • 給餌と飼育ケースの手入れ 確からしさ:中 給水器や自動清掃機が助けても、動物ごとの性格や汚れ方に合わせた確認は人が行う。

人が中心

  • 飼養の覚悟と住環境についての対面説明 確からしさ:高 飼い主が長く世話を続けられるかは、住居や家族の事情を聞いて話し合う必要がある。
  • 動物を売らない判断と責任者への相談 確からしさ:中 販売可能な条件を形式上満たしていても、動物の福祉に照らして販売を見合わせる判断には人の責任が伴う。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、ペットショップの店員の一日(架空)

開店前の静かな店内で、三十四歳の亮は小動物の飼育ケースを一つずつ見ていた。自動給水器は正常と表示されている。それでも、床材の湿り方や食べ残した牧草は画面では分かりにくい。ウサギがいつもの場所から出てこないので、亮はそっと様子を観察し、食欲と動きの記録を店の責任者に共有した。動物の体調について、自分だけで診断したり決めつけたりはしない。

午前中、親子が小型犬を見に来た。子どもは目を輝かせるが、保護者は共働きで昼間の世話を心配している。亮は飼育用品の見積りだけでなく、散歩、食事、通院、年をとったときの世話まで話した。画面に映る『おすすめの飼育プラン』は便利だが、その家族に本当に合うかは別の話だ。二人は今日は購入せず、家で相談することにした。

昼すぎはフード売り場へ。高齢の猫を飼う人が、食べやすい粒の大きさを尋ねてきた。亮は商品の表示を確認し、獣医師から食事の指示があるならそれを優先するよう伝える。売上記録から補充商品は自動で候補が出るが、季節により売れ筋が変わる用品の棚は、客の目線に合わせて組み直した。

閉店後、朝気にかかったウサギの食欲が戻っているかを確認し、飼育日誌を残した。今日の売上は目標に届かなかった。それでも、飼う準備が整っていない家族に急いで買ってもらわなかったことを、亮は後悔していない。動物を扱う店員には、売る技術と同じくらい、売る前に立ち止まる勇気が必要なのだ。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約385万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(job tag掲載の年収)
調査年
2025年
対象
job tag『ペットショップ店員』に対応づけられた『他の商品販売店員』など広い販売職の統計であり、ペットショップで働く人だけではない。
税・賞与
税・社会保険料を引く前、賞与を含む
  • job tag『ペットショップ店員』の2025年全国年収384.8万円を円換算した。『他の商品販売店員』という広い職業分類の統計で、動物の販売と飼育管理だけの賃金ではない。
  • 店員の年収に、店舗の生体販売売上や飼育用品の販売額を足していない。売上と個人の額面給与は別物である。
  • 正社員、パート、店長、トリミング等の専門部門によって勤務時間と報酬が異なる。短時間労働者の年間給与をそのまま表す数字ではない。
  • 独立して店を営む人の経費差引後の所得や動物の医療費等は、この賃金統計からは分からない。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 動物の飼養管理基準の強化どちらにも動きうる

    動物が安心して暮らせるよう、店が守る決まりや世話の仕事が増えることがあります。

    大人向けの詳しい説明

    環境省は2026年10月15日に犬猫以外の哺乳類の飼養管理基準を具体化する省令改正を公表した。専門的対応は必要だが設備費もかかる。

  • 飼育用品のネット販売下がる方向

    ごはんやおもちゃを家から買う人が増えると、お店で売る仕事は少なくなりそうです。

    大人向けの詳しい説明

    消耗品の注文・配送が通販に移ると、店舗の来客数と品出し業務の採算が下がりやすい。

  • 飼い主への対面相談上がる方向

    どんな動物なら長く世話ができるかを、一緒に考えてくれる人が求められます。

    大人向けの詳しい説明

    飼育スペース、終生飼養、健康管理を個々の家庭に合わせて説明する役割は定型的な商品推薦とは異なる。

  • 店舗の衛生設備と人件費どちらにも動きうる

    きれいな部屋を用意するにはお金がかかり、店員のお給料にも関係します。

    大人向けの詳しい説明

    空調や清掃の省力設備が生産性を上げても、収益は動物の福祉や施設維持費に回る可能性があり賃金上昇とは限らない。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 飼い方の相談を中心とする専門店が残る

    条件動物の福祉への関心が高く、対面で飼育環境を相談できる店に需要が集まる。

    起きそうなこと飼育相談や衛生管理を担える人の専門性が評価され、店舗数が減っても熟練者の報酬は維持されやすい。

  2. 用品通販と飼育支援サービスへ重心が移る

    条件フードや用具は通販が主流になり、動物の直接販売を行う店舗が減る。

    起きそうなこと商品販売中心の職は縮小する一方、飼育相談やケアサービスへ転身する人が増える。

  3. 飼養基準の厳格化と運営費上昇

    条件飼育設備・衛生・展示の基準が厳しくなり、店舗の設備投資負担が増える。

    起きそうなこと動物の管理には人手が必要でも、小規模店の採算が悪化すれば雇用や実質給与が伸びない。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

ペットショップでは生体の飼育管理と用品の販売を一緒に行うが、これらの仕事が同じ速さで変わるとは限らない。環境省は販売事業者に登録や動物取扱責任者の選任を求め、2026年には犬猫以外の哺乳類の飼養基準も具体化した。生き物を扱う責任を理解する人は引き続き必要になる。

一方で、フードや用品はネット注文に移りやすく、動物の直接販売を行う店舗が減れば店員の数も少なくなる。飼育相談に強い店と用品中心の店では方向が異なり、全体の店舗勤務の需要は小幅に減る見通しを中心とした。

働き方

動物の世話は開店前の給餌・清掃から始まり、休日も止められない。店員はシフト勤務で土日祝日に出勤することが多く、正社員のほか短時間のパートやアルバイトもいる。動物を販売しない用品専門店では、生体管理の仕事の比重は小さい。

生体を扱う店舗には第一種動物取扱業の登録や動物取扱責任者の配置など事業者側の義務がある。一般の販売員全員がその資格者でなければならないわけではない。動物の診断や治療は獣医師の仕事であり、店員は異変を見つけて適切につなぐ役割を担う。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 動物の基本的な飼育を学ぶ入職に必須の学歴や一律の国家資格はない。高校卒業後の就職のほか、動物系専門学校等で犬猫や小動物の生態・衛生を学ぶ道がある。
  2. 店舗で飼養管理と接客を身につける先輩の指導で給餌、飼育ケースの清掃、健康観察、フード・用品の説明を学び、生体販売に必要な説明事項と法令を確認する。
  3. 店の動物取扱責任者を目指す場合第一種動物取扱業者には動物取扱責任者の選任義務がある。責任者には所定の経験や資格・学歴等の要件があり、ただ店員として働いただけで自動的になれるわけではない。

今から伸ばしたい力

  • 動物種ごとの給餌量・飼育環境と行動の違いを理解する力
  • 排せつ、食欲、動きから普段との変化を記録する観察力
  • 終生飼養に必要な時間と費用を購入希望者に説明する力
  • 温度・湿度・換気・清掃など衛生環境を保つ実務力
  • 不明な体調変化を獣医師や動物取扱責任者に相談する判断力

出典と前提

最終確認日
2026年11月2日

出典

予測の前提

  • 2050年も動物の福祉に関する規制と販売事業者への責任が維持される。
  • フードなど標準化された飼育用品は通販との競争が続く。
  • 動物の生体販売と用品販売は地域や店の形によって異なる速度で変わる。

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ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。