小児科医
しょうにかい
医師の仕事の一つです
生まれて間もない子から思春期までの健康を診る医師。発熱などの診察に加え、発達や成長の確認、予防接種、慢性疾患の継続診療を担い、保護者や学校とも相談して子どもの生活を支える。

はじめに
赤ちゃんから中高生までの体と心の成長を見守るお医者さんです。熱が出たときの診察だけでなく、予防接種をしたり、身長や発達を確認したりします。本人が上手に話せないときは、家族の話も聞いて考えます。小さな体の変化を見逃さないよう、前の診察の記録とも比べます。
2050年の見通し
2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。
- 収入
- 人口減少が報酬増を制約する一方、夜間対応や複雑な診療を担う人材不足が賃金を支え得る。
- 需要
- 少子化は受診者数を減らすが、健診・発達・慢性疾患の継続的な診療は残る。
- 人による差
- 人による差は今と同じくらい
今の小児科医の仕事
- 年齢別の診察と問診年齢ごとに異なる症状の表れ方を考え、本人と保護者の話から必要な診察を決める。
- 乳幼児健診身長・体重・発達の経過を確かめ、成長曲線や生活の様子を確認する。
- 予防接種の相談・実施接種歴、年齢、体調、接種間隔を確認し、予防接種を行う。
- 慢性疾患の継続管理喘息やアレルギーなどの症状、家庭・学校での困りごとを見て治療を調整する。
- 専門診療や地域支援への連携必要に応じて専門医、保健師、学校などへ紹介・相談する。
2050年、仕事はどう分担される?
業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。
AI・ロボットが中心
- 成長曲線の異常候補の検出 確からしさ:高 複数回の身長・体重データから変化点を見つける計算は機械が得意だ。
AIと協働
- 予防接種予定の確認 確からしさ:高 接種履歴との照合は自動化できるが、当日の体調と同意が必要だ。
- 学校生活の継続支援 確からしさ:中 症状記録の共有を助ける道具は進むが、学校と家庭の調整を医師が支える。
人が中心
- 診察時の年齢別の評価 確からしさ:中 本人が説明できる内容と家族の観察が違うこともあり、対面の確認が重要だ。
- 家族への治療説明 確からしさ:高 子どもの理解度と家庭の事情に合わせて説明する役割は人が中心になる。
2050年の一日
2050年、小児科医の一日(架空)
昼休みを前に、三十代の小児科医・亮介は診察室の机に置かれた成長曲線を見ていた。今日は小学二年生の女の子が、学校で運動したあとにせきが出ることを相談しに来る。母親は夜の様子を記録していたが、本人は「体育は好きだから休みたくない」と話した。亮介は症状の回数だけでなく、本人が何を続けたいかを聞き取る。
診察では呼吸の音を確かめ、使っている薬の種類と吸入の方法を一緒に確認する。家庭の端末がまとめた記録は便利だが、学校での運動量までは正確に表していない。亮介は女の子に吸入器の模型を持ってもらい、いつ使うのかを自分の言葉で説明してもらう。母親には変化を見る目安を紙にも書き、本人が忘れたときの支え方を相談した。
午後には乳幼児健診が続く。保護者は画面で比べた発達の数字を心配していたが、亮介は一回の測定だけで結論を出さず、これまでの成長と日常の様子を聞く。必要な場合の相談先も案内した。予防接種を受ける子には、これからすることを短い言葉で伝え、準備ができたのを確かめる。
夕方、午前の女の子に渡す学校向けの説明文を完成させる。決まった運動をすべて禁止するのではなく、症状が出たときに先生がどう対応するかを書いた。AIがまとめた記録に目を通しながら、亮介は「学校で何ができるか」という本人の言葉を追記した。病気を診ることと、育っていく毎日を守ることは、同じ仕事の中にある。
収入
平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。
今の年収
約1,512万円(年収・平均値)
- job tagの2025年全国年収1,512.3万円は医師全体に対応する分類の平均で、外科医などと共通する。
- 小児科だけの雇用者年収の中央値や、開業小児科の事業所得とは異なる。
- 病院の夜勤・当直と診療所の外来では給与体系と労働時間が異なる。
- 地域の子どもの数や予防接種制度の違いによって医師の配置と働き方が変わる。
収入を動かすもの
AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。
-
子どもの人口の減少下がる方向
子どもが減る地域では診察を受ける人も減ります。
大人向けの詳しい説明
出生数と地域の人口移動によって外来患者数が変化する。
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発達・慢性疾患への継続支援上がる方向
長く成長を見守る診察が必要です。
大人向けの詳しい説明
学校生活や家庭での継続支援は単発の診察では完結しない。
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診療報酬と地域の配置どちらにも動きうる
仕事が大切でも病院のお金は無限ではありません。
大人向けの詳しい説明
診療報酬や自治体の医療体制によって医師の給与原資と配置が変わる。
2050年の3つのシナリオ
未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。
-
予防・発達支援が重視される
条件予防接種や健診、学校との連携に十分な体制が用意される。
起きそうなこと子どもの総合的な健康支援を担う小児科医の役割が広がる。
-
出生数の減少が進む
条件地域の子ども人口が減り、小児科の配置が集約される。
起きそうなこと患者の少ない地域では診療所の維持と勤務条件が難しくなる。
-
遠隔相談と自動問診が普及
条件軽い症状の初期相談と記録整理がオンライン中心になる。
起きそうなこと直接診察が必要な子の評価に時間を使える一方、診療報酬次第で収入は伸びない。
働き方と暮らし
人手は足りる? 余る?
少子化で小児患者の総数が減る可能性が高く、特に地方では診療所の統合が進み得る。しかし乳幼児健診、予防接種、慢性疾患、発達の相談など、年齢に合わせた継続診療は必要だ。
子どもの人数だけで需要を決めず、一人当たりの診療内容と夜間・休日対応も考える。全国では横ばいから小幅減の間を中心とし、都市部と地方で大きく異なる。
働き方
病院の小児科、地域の診療所、子ども専門の医療機関などで働く。外来診察や病棟での診療に加え、健診や学校関係者との連絡に関わることもある。
診療所は日中の外来中心になりやすいが、病院では夜間の当直がある。勤務医と開業医では収入の仕組みが異なり、地域の子どもの数も配置に影響する。
この仕事に近づくには
進路と資格
- 医師になる医学部医学科6年間を修了し医師国家試験に合格する。
- 初期臨床研修を受ける免許取得後、原則2年間の初期臨床研修で内科・救急・小児科などを学ぶ。
- 小児科を専門に学ぶ小児科の専門研修プログラムで乳幼児から思春期までの診療、健診、急性疾患と慢性疾患を経験し、専門医の要件を満たす。
今から伸ばしたい力
- 子どもの年齢ごとの症状を見分ける診察力
- 本人と家族の両方から聞き取る力
- 成長曲線と発達経過を長期的に読む力
- 予防接種の履歴と実施条件を管理する力
- 学校・家庭・保健師と連携する説明力
関連する職業
-
医療・福祉 医師 患者の症状や検査結果を調べ、病気やけがを診断し、薬や手術などの治療を行う。病院や診療所で、看護師などと協力して命と健康を守る仕事。
2050年の収入少し下がる -
医療・福祉 看護師 病院や診療所、訪問看護などで、患者の体調を観察し、療養生活を支え、医師の診療を補助する仕事。薬や医療機器を安全に扱い、本人や家族への説明、ほかの職種との連携も担う。
2050年の収入ほぼ変わらない -
医療・福祉 精神保健福祉士 心の病気や精神保健上の課題を抱える人が、地域で望む暮らしや仕事を続けられるよう支援する国家資格者。精神科の医療機関、地域の相談機関などで生活相談や退院後の住まい・就労・福祉サービスの調整を行う。
2050年の収入ほぼ変わらない -
医療・福祉 薬剤師 医師の処方箋を確認して薬を調剤し、飲み方や副作用について説明する仕事。病院や薬局で薬の安全な使用を支え、医療チームや患者と協力する。医薬品の管理や研究開発に関わる道もある。
2050年の収入少し下がる
出典と前提
出典
- 小児科医|職業詳細(job tag)(厚生労働省)、2026年11月2日取得 仕事内容・資格と入職経路・2025年全国年収の確認
- 専門医制度と基本領域の紹介(日本専門医機構)、2026年11月2日取得 小児科専門研修と医師資格取得後の進路を確認
予測の前提
- 2050年も年齢に応じた予防接種と健診の制度が必要とされる。
- 全国の子どもの人口と地域別の分布は変化する。
- 診療報酬と地域医療の体制は現行制度がそのまま続くとは限らない。
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