医療・福祉

柔道整復師

じゅうどうせいふくし

接骨院などで、捻挫や打撲、骨折、脱臼などの損傷を調べ、手で整える整復、固定、回復に向けた運動指導を行う国家資格の専門職。骨折・脱臼の継続施術には原則として医師の同意が必要になる。

施術所で、男性の柔道整復師が座った女性の手首を支え、模型を横に置いて関節の動きを確かめている。
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はじめに

スポーツや日常生活で足をひねったり、体を打ったりした人を手当てする仕事です。痛むところをよく見て、手で触れて確かめ、テーピングや固定具を使って回復を助けます。骨折や脱臼は、応急手当てを除いて医師の同意を得て施術します。接骨院を開く人や病院などで働く人がいます。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約454万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)ほぼ変わらない幅:下がる〜少し上がる
収入
手技の専門性や運動指導は評価され得る一方、保険で扱う療養費の算定と施術所間の競争が単価を制約する。自動化で事務が効率化されても、その分が賃金へ必ず還元されるわけではないため実質横ばいを中心に置く。
需要
打撲・捻挫などへの手技と回復支援は残るが、job tagは施術所増加と医療機関との役割分担による競争の厳しさを示す。高齢者の運動支援需要と、接骨院の競争や人口減少が相殺し合う可能性から、中心は横ばいとする。
人による差
人による差が広がる

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今の柔道整復師の仕事

今
  • 問診・視診・触診による損傷評価痛みが出た経緯を聞き、腫れや関節の動きを観察して触れ、柔道整復の業務範囲で扱えるか見極める。
  • 徒手整復必要な場合に手技で骨や関節の位置を整え、骨折・脱臼の応急手当て以外は医師の同意を確認する。
  • ギプス・副子・テーピングによる固定負担を減らしたい部位に適切な固定材をあて、皮膚や循環を圧迫しすぎないよう調整する。
  • 後療法と段階的な運動指導固定後の動きの回復に合わせて、手技や温熱、関節を動かす練習を組み合わせる。
  • 療養費の請求と施術明細の発行保険の対象になる負傷か確認し、受領委任を扱う施術所では施術録や療養費請求書、明細書を整える。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 問診記録・療養費請求の下書き 確からしさ:高 定型の記録や算定条件の照合は情報処理に向いている。ただし保険適用の可否と請求内容の責任は施術者が負う。

AIと協働

  • 動作映像から関節可動域を記録する作業 確からしさ:中 同じ条件で撮った動作の角度変化は自動測定できても、痛みや腫れの程度とは必ずしも一致せず触診で確かめる。
  • 捻挫後の固定方法の選択 確からしさ:中 損傷部位に応じた候補は装置が示せるが、皮膚の状態や生活動作を見て巻き方を調整する必要がある。

人が中心

  • 触診と徒手による整復 確からしさ:中 手を当てたときの抵抗や本人の反応を確かめながら力を調節する身体的手技であり、安全のため現場での確認が欠かせない。
  • 医師への紹介と施術を中止する判断 確からしさ:高 骨折や神経症状など専門外を疑ったとき、施術より受診を優先して本人に説明する責任は専門職側にある。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、柔道整復師の一日(架空)

夕方の接骨院に、部活動を終えた高校生と父親がやってきた。三十代の柔道整復師・悠斗は、予約画面に表示された『足首の違和感』という文字を見て、まず椅子を勧めた。高校生は数日前に足をひねり、病院で骨折はないと言われたが、走るとまだ不安があるという。

悠斗は靴下を脱いでもらい、左右の足首の腫れや皮膚の色を見比べた。どの動きで痛むかを聞き、必要な範囲で軽く触れる。端末は歩き方の映像から左右の差を示したが、数値だけでは痛みの出方までは分からない。悠斗は片足で立つ動作を無理のない範囲で試してもらい、どこまで体重をかけられるか確かめた。

以前より腫れが引いていることを説明し、足首を支えるテーピングを選んだ。テープを一巻きするたびに、指先の感覚と締めつけ具合を本人に尋ねる。端末は標準的な巻き方を画面に重ねていたが、悠斗は靴を履いたときの圧迫が少なくなるよう向きを変えた。練習の再開については急いで判断せず、負担の少ない運動から段階を踏む方針を父親にも伝えた。

会計時、保険の対象となる施術と対象外の指導を分けて明細を確認する。自動作成された施術録には『走行可能』とあったが、悠斗は『短い距離を歩くことは可能。走行はまだ確認していない』と書き換えた。閉院前、使ったテーピングの残量を数えながら、次回は足首の動きだけでなく本人の不安がどう変わったかも聞こうと思った。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約454万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(job tag掲載の年収)
調査年
2025年
対象
job tag『柔道整復師』に対応づけられた『その他の保健医療従事者』などの雇用労働者。柔道整復師のみの専用集計ではない。
税・賞与
税・社会保険料を引く前、賞与を含む
  • job tag『柔道整復師』の全国年収454.2万円(2025年)を円に換算した。
  • 賃金構造基本統計調査の対応職業分類に基づく値で、柔道整復師の有資格者だけの平均ではない。
  • 開業した接骨院の売上や経費控除後の所得を表す統計ではない。
  • 勤務する接骨院・整形外科・介護施設の違い、勤務年数、地域、施術所の経営状況によって差がある。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 捻挫・打撲などに対する手技の需要上がる方向

    足首をひねった人などに、触れて調べる手当てが必要な場面は残ります。

    大人向けの詳しい説明

    画像解析などの支援が進んでも、局所の状態と本人の反応を見ながら固定や後療法を調節する作業には実地の手技が伴う。

  • 療養費の対象範囲と請求管理下がる方向

    保険でできる手当てには決まりがあり、何でも同じ料金で受けられるわけではありません。

    大人向けの詳しい説明

    柔道整復の療養費には受領委任の手続きや施術管理者の要件があり、請求・明細の規則が収益構造を左右する。

  • 接骨院間の競争と地域差下がる方向

    近くに似たお店が多いと、お客さんに選ばれる工夫が必要になります。

    大人向けの詳しい説明

    job tagは施術所の増加や医療機関との役割分担による競争の厳しさに言及する。人口構成と通院できる範囲で事業環境が異なる。

  • 運動指導の細分化どちらにも動きうる

    スポーツを続ける人の体の使い方を教える仕事もあります。

    大人向けの詳しい説明

    地域のスポーツ参加や高齢者の運動需要は関連サービスを生みうるが、運動指導の市場には資格の異なる競合も多く、単価は一様に上がらない。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 地域の運動機能支援へ役割が広がる

    条件高齢者の生活動作支援や運動指導の需要が増え、施術所が医療機関との紹介関係を築く。

    起きそうなこと手技の専門性と運動指導が評価されれば利用者を確保しやすくなるが、すべてが公的保険の対象になるとは限らない。

  2. 請求審査と記録の自動化が進む

    条件保険対象の負傷の確認や明細書作成などの事務作業を機械が支援する。

    起きそうなこと施術に充てる時間が増える一方、効率化が施術単価や雇用賃金の上昇に直結するとは限らない。

  3. 接骨院の競争と料金制約が強まる

    条件地域で施術所の競争が続き、療養費の対象や価格が厳格に管理される。

    起きそうなこと患者の数を確保できない事業者の収入は伸び悩み、専門分野や経営力による差が開く。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

捻挫や打撲といった損傷に対する触診、整復、固定の仕事は、生活や運動がある限り一定の需要が見込まれる。高齢者の歩行や日常動作を支える相談、競技復帰までの段階的な運動指導など、接骨院が力を発揮できる場面はある。自動記録が普及しても、患部を直接確かめる時間は残るだろう。

一方、柔道整復師は整形外科医や理学療法士、トレーナーとは役割が異なる。保険請求できる範囲も決まっており、施術所が増えれば一院あたりの患者数が減る可能性もある。人手不足を単純に将来の増員へつなげず、全国の仕事量はおおむね横ばいを中心に、地域や専門分野ごとの差が拡大するとみる。

働き方

柔道整復師は接骨院や整骨院を開業するほか、施術所に雇われ、整形外科、介護・福祉施設、スポーツ関係の職場で働くこともある。診察では問診・視診・触診を組み合わせ、整復や固定を施した後に回復段階に合わせた後療法を行う。保険の対象外になるサービスと保険で扱う施術は区別する。

患者が仕事や学校の後に来る接骨院では夕方以降や土日の診療もある。開業者は施術だけでなく予約、会計、受領委任の届け出、明細交付、施術録の保存など運営も担う。受領委任を扱う施術管理者には、免許とは別に実務経験や研修の要件がある。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 柔道整復師養成課程で3年以上学ぶ指定された専門学校・短期大学・大学などで、解剖学、生理学、整形外科学、柔道整復の実技を3年以上修得し、国家試験の受験資格を得る。
  2. 柔道整復師国家試験に合格し免許を得る国家試験に合格した後、厚生労働大臣免許の登録手続きを行う。国家資格の取得と、保険の受領委任を扱う施術管理者になるための要件は別である。
  3. 施術所などで経験を積み施術管理者を目指す接骨院などで症例と施術録の経験を重ねる。2024年4月以降、療養費の受領委任を扱う施術管理者には原則3年以上の実務経験と所定の研修受講が求められる。

今から伸ばしたい力

  • 腫れ・痛む場所・関節の動きを問診と触診で区別する技術
  • 徒手整復の力加減と、医師へ紹介するべき状態を見極める判断
  • テーピング・ギプスなどで固定範囲と圧迫を適切に調整する技術
  • 固定後の後療法を回復段階と生活動作に合わせて組み立てる力
  • 療養費の保険対象と自費サービスを区別して説明する力

出典と前提

最終確認日
2026年10月30日

出典

予測の前提

  • 2050年も外傷への柔道整復の施術範囲と、医師への紹介が必要になる区別は残る。
  • デジタル記録や姿勢解析の導入は進むが、施術所による普及速度には差がある。
  • 公的保険の療養費制度と地域の施術所競争が、事業者と雇用者の収入に影響し続ける。

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