学校事務
がっこうじむ
小中高校などで教材費や備品購入の会計、教職員の給与・旅費、転入転出や証明書の手続きを担い、授業を支える職員。公立学校では地方公務員が配置され、複数校の事務を共同処理することもある。

はじめに
学校で使う机や教材を注文し、先生たちの出張費や給料の書類、転校の手続きを整える仕事です。教室で授業をする先生とは違う役割ですが、お金の使い方や建物の修理をきちんと進めることで、みんなが安心して勉強できる場所を支えます。
2050年の見通し
2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。
- 収入
- 設備更新と学校運営を支える技能は残るが、公立の給与表や私学の財政制約が賃金を左右する。電子化による効率化が個人の実質賃金増に直結しないため横ばいを中心とした。
- 需要
- 児童生徒数の減少と学校統合、共同学校事務室での事務集約・電子化が配置人数を抑える。学校経営を支える仕事は残るが総需要は小幅減と見込む。
- 人による差
- 人による差は今と同じくらい
今の学校事務の仕事
- 教材・学校備品の発注と支払授業に必要な教材や機器の見積書、納品書、請求書を照合し、学校配当予算から適切に支払う。
- 教職員の給与・旅費事務勤務状況と出張旅費を確認し、給与支給や旅費精算に必要なデータを教育委員会等に送る。
- 転入転出・在学証明の手続児童生徒の異動書類や在学証明書を作成し、必要な個人情報を安全に取り扱う。
- 施設修繕と安全な備品管理設備の不具合を現場で確認し、修繕の優先度、見積もり、発注方法を教育委員会や業者と調整する。
- 学校運営費の予算管理費目ごとの支出残額を確認し、年度末に必要な教材費が不足しないよう学校管理職へ説明する。
2050年、仕事はどう分担される?
業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。
AI・ロボットが中心
- 請求書と納品書の照合 確からしさ:高 金額・品名・数量の一致確認と会計データへの入力は自動化しやすいが、現物の到着や購入の必要性は人が確かめる。
AIと協働
- 転出入の定型書類の作成 確からしさ:高 申請に沿った必要事項の入力は機械が助ける一方、家庭の事情や個人情報の扱いは人による確認を欠かせない。
- 複数校の予算・旅費処理 確からしさ:高 共同学校事務室での集約と自動集計は進んでも、学校ごとの予算上限や運用ルールの違いを説明する職員は要る。
人が中心
- 教材・設備修繕の優先順位の調整 確からしさ:中 使える予算が限られるとき、授業の必要性や施設の状況を教職員から聞いて判断することが必要になる。
- 保護者・児童生徒の窓口案内 確からしさ:中 転校や証明書の相談では、画面の操作だけでなく家庭の事情を聞き、安全に案内する対人業務が残る。
2050年の一日
2050年、学校事務の一日(架空)
新学期が始まって三日目、学校事務の美咲の机には、理科室から届いた備品の見積書が置かれていた。実験用の温度計を買い替えたいという先生の依頼だ。予算管理画面には残額が十分あるように見える。しかし美咲は、秋の校外学習で必要な費用がまだ確定していないことを思い出した。注文ボタンを押す前に、年度全体の支出予定をもう一度開く。
午前、複数校の支払いを集める共同学校事務室から確認が入った。「請求書の数量と、学校が受け取った数が違います」。自動照合では二箱とも納品済みになっていたが、実際に届いているのは一箱だけだ。美咲は倉庫の受領記録を見直し、配送が翌週に分かれたことを突き止めた。まだ届いていない分を支払い済みにしないよう処理を保留し、先生に理由を伝えた。
昼前、転校する児童の保護者が窓口を訪れた。学校の端末から手続の進み具合は見えるが、家族は次の学校でいつから給食を申し込めるのか心配している。美咲は必要な書類を説明し、担任と転校先の担当窓口へ確認する。家族の住所などの情報は、本人の前で不用意に読み上げない。画面が便利になっても、安心できる説明は別に必要だ。
放課後、理科の先生と実験室を見に行く。古い温度計の目盛りは読みづらいが、緊急に交換する必要があるのは一部だった。美咲は購入数を調整し、残ったお金を別の教材修理にも使える案を管理職へ出した。授業そのものは教えない。それでも、一つずつ整えた道具と書類が明日の教室につながっている。
収入
平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。
今の年収
約529万円(年収・平均値)
- job tagの2025年全国年収528.7万円は関連する総務等の事務職全体の分類で、学校事務だけの賃金ではない。
- 公立学校では地方公務員の給与規定が適用される場合があるため、自治体・雇用区分で実際の給与は異なる。
- 私立学校は学校法人独自の給与表で働き方が違い、公立と同じ年収になるわけではない。
- 正規職員と短時間・会計年度任用職員では賞与や勤務日数が異なり、同じ年収を想定できない。
収入を動かすもの
AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。
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学校数と児童生徒数の減少下がる方向
子どもの人数が減って学校がまとまる地域では、事務職員も少なくなるかもしれません。
大人向けの詳しい説明
人口減少地域で統廃合や事務の共同処理が進むと、一校あたりの専任事務員を減らす可能性がある。
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請求書・給与事務の電子化下がる方向
お金の書類や先生の出張費を計算する作業は、機械が手伝えるようになります。
大人向けの詳しい説明
勤怠、旅費、支出の定型照合は自動化が進み、事務処理人数を抑える方向に働きやすい。
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老朽校舎と教材の更新上がる方向
古い教室を直したり新しい教材を買ったりするために、お金を管理する人が必要です。
大人向けの詳しい説明
老朽施設の維持・設備調達は予算と安全性の調整が重要で、学校運営を支える事務技能が残る。
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公務員給与と学校予算の制約どちらにも動きうる
仕事が便利になっても、お給料は学校や自治体のお金の決まりによって変わります。
大人向けの詳しい説明
公立学校の給与制度と私立学校の財政状況により、生産性改善が賃金増へ配分されるとは限らない。
2050年の3つのシナリオ
未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。
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学校事務の共同処理が広がる
条件複数校の給与・会計・購買を共同学校事務室で扱い、定型入力を効率化する。
起きそうなこと学校ごとの人員は減り得る一方、施設・予算の専門職として業務範囲が変わる。
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学校設備更新の調整役が重視される
条件老朽設備の修繕や授業で使う機器の更新が続き、事務員が調達を専門的に担当する。
起きそうなこと経験ある職員の価値は上がるが、公務員給与や学校法人の予算枠が収入上昇を制約する。
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小規模校の統合で事務職員が減る
条件児童生徒数の減少で学校の統廃合が進み、事務処理が自治体単位に集中する。
起きそうなこと人員需要は下がるが、地域や学校種別の差が大きくなる。
働き方と暮らし
人手は足りる? 余る?
小中高校などでは、教材や設備の購入、証明書発行、教職員の給与・旅費などを管理する仕事が続く。教員が授業に集中できるよう、学校事務が予算と調達を支える役割は残る。
一方、児童生徒の減少で学校を統合する地域では配置職員数を減らす可能性がある。共同学校事務室での事務集約や電子化も人員需要を抑えるため、総人数は小幅減を中心とした。
働き方
公立の小中高校では自治体の採用試験などを通じて配属される地方公務員として、私立学校では学校法人の職員として働く。学校内の事務室と、複数校を受け持つ共同学校事務室などが職場となる。
通常は日中勤務だが、入学・卒業、年度末の予算精算、教職員の異動時期に仕事が集中する。窓口業務と会計事務を兼ねる小規模校もあれば、共同事務室で給与・会計などを専門的に担当する場合もある。
この仕事に近づくには
進路と資格
- 高校・大学などで事務と会計を学ぶ文書作成、表計算、簿記の基礎、教育行政の仕組みを学ぶ。学校事務そのものに必須の国家資格はない。
- 公立は自治体の採用選考、私立は法人の選考を受ける公立学校の正規職員は自治体が定める地方公務員採用試験などを受け、私立学校は学校法人の採用選考を受ける。採用区分と受験資格は地域・法人で異なる。
- 学校会計と校務の実務経験を積む教材購入、給与・旅費、転出入手続、施設修繕の記録を学び、共同学校事務室での校務分担や研修に参加する。
今から伸ばしたい力
- 教材の見積・納品・請求書の数量と金額を照合する力
- 学校配当予算の費目と年度末残額を管理する力
- 転出入の書類を個人情報に配慮して案内する力
- 施設修繕の優先度を授業・安全・費用から比較する力
- 教員・教育委員会・共同事務室の役割分担を把握する力
関連する職業
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教育 教師 小学校・中学校・高校で教科や生活について教え、生徒の成長を支える。授業の準備、学習評価、保護者との連絡、学校行事や生徒指導なども担当する。
2050年の収入少し上がる -
公務・安全 地方公務員(市役所などの職員) 市役所や町役場などで、住民票、福祉、子育て、税、防災、まちづくりなどの行政サービスを担う仕事。窓口対応から制度の運用、地域の課題解決まで幅広い。
2050年の収入ほぼ変わらない -
教育 高校の先生 高等学校で国語や数学などの教科を教え、定期考査や探究活動を通して学びを支える。大学進学や就職など卒業後の進路も一緒に考え、学級の担任や学校行事の運営を担う仕事。
2050年の収入少し上がる
出典と前提
出典
- 学校事務|職業詳細(job tag)(厚生労働省)、2026年11月2日取得 教材購入・会計・人事・転入転出、採用経路、2025年年収528.7万円
- 共同学校事務室取組事例集(文部科学省)、2026年11月2日取得 事務職員の総務・財務の専門性、共同学校事務室の制度と活動を確認
予測の前提
- 2050年にも学校の会計・児童生徒の異動・施設管理を担う事務職員が必要となる。
- 自治体による学校事務の集約と電子化が進む。
- 児童生徒数と学校統廃合の進み方には地域差が残る。
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