公務・安全

地方公務員(市役所などの職員)

ちほうこうむいん(しやくしょなどのしょくいん)

市役所や町役場などで、住民票、福祉、子育て、税、防災、まちづくりなどの行政サービスを担う仕事。窓口対応から制度の運用、地域の課題解決まで幅広い。

市役所の窓口で、50代の男性職員が、子どもを連れた住民に書類を見せて手続きを説明している。住民は子どもの隣で職員の話を聞いている。
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はじめに

市役所や町役場では、引っ越したときの手続きや子育ての相談、道路や公園の管理、防災の準備など、町の暮らしを支える仕事をしています。仕事は部署によって大きく違います。決まりを守って書類を処理するだけでなく、困っている人の話を聞き、地域に合う方法を考えることも大切です。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約667万円参考値:公的な資料から計算した目安
2050年(物価の上昇を除いて)ほぼ変わらない幅:下がる〜少し上がる
収入
地方公務員の給与は自治体の条例や公的財政に左右される。福祉・防災の人材確保が必要でも、人口減少と財政制約があるため、物価を除いた収入は横ばいを中心とした。
需要
住民登録や定型的な行政事務はデジタル化・省力化が進む一方、人口減少で一部の事務量が減る可能性がある。高齢者支援や防災は残るため、職員全体への需要は小幅な減少を中心として幅を持たせる。

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今の地方公務員(市役所などの職員)の仕事

今
  • 住民の申請・相談への対応住民票や各種証明、福祉・子育ての申請を受け、制度を説明する。
  • 税や保険の事務地方税や保険料などを法令と条例に沿って扱う。
  • 福祉・子育て施策高齢者、障害者、子育て家庭などを支援する事業を運用する。
  • 防災と地域安全避難情報や地域防災計画を整え、関係機関と調整する。
  • 施設・まちづくりの管理道路、公園、公共施設などの整備や維持管理に関わる。
  • 予算・契約・政策立案住民の要望と財政を踏まえ、事業の企画、調達、議会への説明を行う。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 定型申請の入力・形式チェック 確からしさ:高 現在も多数の定型申請を扱う。必要事項の照合は自動化しやすいが、誤りを確認する仕組みは必要となる。
  • 証明書等の定型処理 確からしさ:高 情報が標準化されれば機械処理が進めやすい。ただし例外申請や不服への対応は別に必要となる。

AIと協働

  • 相談内容の整理と案内文の下書き 確からしさ:高 住民への制度案内は情報整理に向くが、個々の状況に合う制度の適用は職員が確認する必要がある。
  • 予算・人口データの分析補助 確からしさ:中 人口や財政データの整理はソフトウェアが支援できるが、政策の優先順位には価値判断が含まれる。

人が中心

  • 生活に困る住民との個別面談 確からしさ:高 福祉や相談では家庭事情と本人の意思を理解する必要がある。手続の効率化とは別に信頼が求められる。
  • 防災時の避難・関係機関の調整 確からしさ:高 災害時は地域の現場状況が変わる。住民や消防、医療などと調整して対応する責任がある。
  • 条例・制度の運用と説明責任 確からしさ:高 行政の判断は法令と条例に基づき、住民に理由を説明する必要がある。AIの提案をそのまま決定とはできない。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、市役所職員の一日

午前8時半。市役所で働く春菜は、今日の窓口相談を確認する。定型的な証明書の申請は多くがオンラインで済むようになり、端末が不足書類を自動で知らせる。それでも事情が複雑な人は窓口を訪れるため、春菜は相談室を整えた。

午前10時。引っ越してきた家族が、子どもの通学と介護の手続きを一緒に相談したいという。案内システムは利用できそうな制度の候補を並べたが、申請条件は家庭の状況によって違う。春菜は家族の話を聞き、担当部署の職員にも確認する。手続きの順番を紙に書いて渡すと、家族は少し安心した顔になった。

正午、昼休み前に大雨への注意情報が届く。防災担当者は避難所の開設案を検討している。過去の浸水情報と今の雨量を重ねた地図は便利だが、地域の細い坂道や、移動が難しい住民の情報まで自動で分かるわけではない。春菜は地区担当者に連絡した。

午後2時。公共施設の使い方について住民との意見交換がある。人口が減って管理費の負担が重くなった施設をどう残すか、意見は分かれている。予算の比較表はAIが作成したが、住民が大切にしている場所への思いは数字だけでは測れない。春菜は両方の意見を議事録に残した。

午後4時。職員同士で、オンライン申請が苦手な人への案内を相談する。便利さを増やすだけでは、取り残される人が出るかもしれない。春菜は広報文を見直し、電話や対面でも相談できることを目立つ位置に書き加えた。

帰る前、端末が明日の資料を要約する。春菜はその中の制度改正日をもう一度確認した。事務を速く進める道具は増えたが、誰にとっても公平なサービスになっているか考える仕事は、今日も続いている。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今参考値

約667万円(年収・公的な資料から計算した目安)

資料
総務省「令和7年地方公務員給与の実態」(地方公務員給与実態調査)
調査年
2025年
対象
都道府県・市区町村の一般行政職の職員(全国平均)
税・賞与
税・社会保険料を引く前。期末・勤勉手当(ボーナス)を含む計算
計算方法
給与月額合計(給料月額+諸手当月額)× 12か月 + 期末手当(年額)+ 勤勉手当(年額)。1万円未満は四捨五入
  • 総務省「令和7年地方公務員給与の実態」第5表(全地方公共団体)の一般行政職:給料月額326,911円+諸手当月額87,057円=給与月額413,968円、期末手当917,513円・勤勉手当785,157円(いずれも年額)。
  • 計算:413,968円×12+917,513円+785,157円=6,670,286円。
  • 諸手当には地域手当や時間外勤務手当などが含まれます。平均年齢が40歳前後の職員の平均で、若手の年収はこれより低くなります。
  • 簡略化した計算のため、実際の支給額とは差があります。自治体、階級・役職、勤続年数、勤務の形によっても大きく変わります。
  • job tag「地方公務員(行政事務)」には年収528.7万円が表示されるが、これは民営事業所を対象とする「その他の一般事務従事者」等の分類統計であり、地方公務員の平均年収ではないため採用しない。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 条例と人事委員会勧告どちらにも動きうる

    市役所の給料は条例などの仕組みで決まる。

    大人向けの詳しい説明

    地方公務員の給与は法律・条例と人事委員会の勧告などの仕組みを通じて調整される。窓口業務の生産性が上がっても賃金に自動反映されない。

  • 自治体の人口と税収下がる方向

    住む人が減ると町のお金が少なくなる場合がある。

    大人向けの詳しい説明

    人口減少や地域の経済活動の変化は税収と行政需要の双方に影響する。社会保障や設備更新も財政を圧迫し得る。

  • 福祉・防災などの専門需要上がる方向

    困りごとが増えると専門の知識が役立つ。

    大人向けの詳しい説明

    高齢化や防災の必要性が高まる地域では専門人材確保が課題になり得る。ただし賃金は条例と予算に左右される。

  • AIによる申請処理の省力化どちらにも動きうる

    機械が書類を手伝っても給料が増えるとは限らない。

    大人向けの詳しい説明

    事務が効率化すれば人員を他業務へ振り向けられるが、予算削減につながる可能性もある。

  • 広域連携と施設再編どちらにも動きうる

    市町村が協力して仕事をする形も増えるかもしれない。

    大人向けの詳しい説明

    行政の規模や窓口の配置が変われば職員に求められる技能や役割も変わる。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 必要な公共サービスを支える待遇改善

    条件子育て、福祉、防災などの専門人材確保が課題となり、自治体の財政も維持される。

    起きそうなこと専門性に応じて待遇が改善される可能性はあるが、全国一律ではない。

  2. 定型業務の省力化と役割の転換

    条件申請処理などの定型事務が省力化され、職員が相談や政策調整に集中する。

    起きそうなこと必要人数や仕事内容が変わる一方、実質給与が上がるかは条例と財政で決まる。

  3. 人口減少と自治体財政の制約

    条件税収減や施設維持費増により、自治体が人員配置を見直す。

    起きそうなこと業務の統合や広域化が進み、実質給与の伸びが抑えられる可能性がある。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

市役所などの地方公務員は、住民登録、福祉、防災、税、公共施設の管理などを担っている。人口が減れば一部の申請件数や施設数が減る可能性があるが、高齢者の相談や災害対策の必要性が同じように減るとは限らない。

2050年にはオンライン申請や定型的な文書処理が進み、窓口や一般事務の必要人数が減る可能性を中心に考える。一方、個別事情の調整、制度の運用、防災、地域の合意形成といった業務は続く。行政サービスへの需要と、職員の人数への需要は同じではない。自治体の規模と財政で差が大きくなり得る。

働き方

市役所や町役場などの一般行政職は地方公務員として採用され、住民サービス、福祉、防災、税務、企画など複数部署に配属される。日勤が多いが、災害や選挙、地域行事に合わせた勤務もある。部署替えにより幅広い制度を学び直す機会が多い。

AIが申請内容や資料を整理できても、法律上の判断や個人情報の扱い、住民への説明には注意が必要だ。窓口で困っている人への案内や、利害が異なる人の調整も求められる。自治体によって人口構成、予算、給与条例、業務の量が違うため、働き方や待遇も一様ではない。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 学校で基礎を身につける高校、大学などから目指せる。国語、社会、数学、情報などの基礎が役立つ。
  2. 自治体の採用区分を調べる高卒程度・大卒程度などの区分や資格要件は自治体により異なる。
  3. 地方公務員の採用試験・選考筆記や面接など、募集要項に沿う選考を受ける。
  4. 職員研修と窓口・部署の仕事入職後に制度と個人情報の扱いを学び、配属先で経験を積む。
  5. 専門分野や管理職への道福祉、財政、防災、政策立案などで専門性を高めたり、昇任を目指す道がある。

今から伸ばしたい力

  • 相手の話を聞き、事情を整理する力
  • 文章や数字を正確に扱う力
  • 法律・制度を調べて説明する力
  • デジタル申請とAIの結果を検証する力
  • 異なる立場の人を調整する力
  • 地域の課題を見つけて学び続ける力

出典と前提

最終確認日
2026年10月29日

出典

予測の前提

  • 2050年も地方自治体による福祉・税・防災などの行政サービスが必要である。
  • 定型手続きの省力化と、相談・政策調整の仕事の変化は異なる。
  • 地方公務員の給与は今後も自治体財政や制度変更の影響を大きく受ける。

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ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。