専門・ビジネス

一般事務

いっぱんじむ

企業や団体で書類作成、データ入力、伝票処理、問い合わせ対応、会議準備などを行い、さまざまな部署の日常業務が円滑に進むよう支える仕事。

明るいオフィスで、20代の女性事務職員が、パソコンの画面と手元の書類を見比べている。横にいる同僚に書類を示し、内容を確認している。
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はじめに

学校のプリントをまとめたり、行事の予定を確認したりするように、会社にも書類や数字、予定を整理する仕事があります。一般事務は伝票や資料を作り、電話やメールに対応し、周りの人が働きやすいように助けます。正確さと相手への気配りが大切です。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約541万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)少し下がる幅:大きく下がる〜少し上がる
収入
job tagが示す一般事務の仕事には入力や書類作成が含まれ、経済産業省の2040年の就業構造推計でも事務職の供給超過が条件付きで示された。仕事の転換や交渉力の弱まりによる実質収入への下押しを見込むが、改善業務を担う人の待遇向上もあり得る。
需要
経済産業省の2040年推計では事務職全体に人材供給の超過リスクが示されている。一般事務では入力・照合・定型文書の省力化が進みやすい一方、例外対応と部署間調整は残るため、需要の減少を中心に幅を持たせた。
人による差
人による差が広がる

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今の一般事務の仕事

今
  • 文書・表の作成依頼に沿って案内文や集計表などを作成し、内容を確認する。
  • データ入力と照合申請や伝票をシステムに入力し、元資料と照らして誤りを見つける。
  • 電話・メール・来客対応社内外の問い合わせを受け、担当部署へつなぎ、必要事項を案内する。
  • 請求・支払などの事務補助請求書や経費の資料を整理し、担当者の確認を受ける。
  • 会議・予定・備品管理会議資料や日程を調整し、郵便・備品を管理する。
  • 社内の手続きと連絡各部署の依頼を整理し、必要な承認や情報共有を支える。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 標準的な書類の作成・入力 確からしさ:高 文書作成・転記・定型チェックは現在の一般事務の主要作業であり、デジタル資料を処理する技術が広がっている。
  • 請求やデータの形式照合 確からしさ:高 定型的な項目の照合はソフトウェアが得意な処理で、例外や入力源の誤りは人が確認する必要がある。
  • 予定・会議・手配の最適化 確からしさ:中 複数の予定と条件の比較は自動化しやすいが、急な変更や相手への配慮は人が補う。

AIと協働

  • 例外申請や誤処理の調査 確からしさ:高 手順にない案件や複数部署にまたがる申請は判断と確認が必要で、AIの候補を人が精査する形が考えられる。
  • 事務手順の見直しと改善 確からしさ:中 定型業務が省力化されるほど、業務の例外や手順を調べ直す仕事が増える可能性がある。

人が中心

  • 取引先と部署の調整 確からしさ:高 納期や利害が異なる相手との調整には事情の把握と信頼関係が必要である。
  • 個人情報・機密情報の管理判断 確からしさ:高 会社の情報や個人情報を適切に扱う責任があり、機械の出力を無条件で承認できない。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、一般事務の一日

午前8時半。一般事務の咲良は、郊外にある部品メーカーの事務室に着いた。朝の端末には、夜の間に届いた注文書と問い合わせが整理されている。以前なら入力だけで午前中が終わった量だが、今日は確認が必要な三件だけに印が付いていた。

午前9時。取引先から届いた発注書に、古い型番が混じっている。AIは似た部品を候補に挙げたが、勝手に置き換えるわけにはいかない。咲良は倉庫担当に在庫を確かめ、営業担当を通じて先方の希望を聞いた。少し遠回りでも、誤った部品を送るより確かだ。

午前11時。請求データの自動照合が終わったが、ある取引先だけ支払条件が違っている。昨年の契約変更が古い画面に残っていたためだ。咲良は契約書を開き、経理担当と確認して修正の記録を残した。機械は差を見つけても、なぜ差があるかまではいつも分かるわけではない。

昼休み、同僚と食堂で話す。昔は大勢いた入力担当が減り、今は顧客との連絡や業務手順の改善を兼ねる人が多くなった。咲良も新しいシステムが苦手な同僚に、確認画面の見方を教えている。

午後2時。会議の日程をAIが調整したところ、工場の点検時間と重なっていた。咲良は現場の担当者に連絡し、会議を短くする案を出した。画面上の空き時間が、実際に人が動ける時間とは限らない。

午後4時。問い合わせへの返信案を読み直し、誤解されそうな言い方を直す。短い一文でも、相手との信頼を守るために考えることはある。明日の処理件数は少ないが、例外案件の相談が予定に入っている。

帰り際、咲良は今日直した手順を共有した。書類を速く作る仕事は小さくなった。それでも間違いを見つけ、人と人の間をつなぐ仕事は、形を変えて残っている。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約541万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(厚生労働省job tag掲載の加工値)
調査年
2025年
対象
job tagに対応づけられた職業分類の雇用労働者。独立事業者の事業所得は含まない。
税・賞与
税・社会保険料控除前、賞与等を含む年収
  • 厚生労働省job tag「一般事務」の全国年収541.4万円を円に直した値。職業分類対応による統計であり、全ての事務職を同一条件で集計したものではない。
  • 雇用されて働く人の賃金統計であり、独立事業者の事業所得は含まない。
  • 求人賃金(月額)は新規求人の条件であり、就業者の平均年収とは対象が異なる。
  • 職場、勤続、役職、雇用形態で賃金が異なる。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • AIによる定型処理の省力化下がる方向

    入力の仕事が速く終わると、必要な人数が減る場合がある。

    大人向けの詳しい説明

    2040年の就業構造推計は事務職の需給余剰リスクを示すが、複数の条件を置いた推計であり、2050年の確定値ではない。

  • 業務改善・例外対応の技能上がる方向

    困った手続きを直せる人は頼りにされやすい。

    大人向けの詳しい説明

    手順改善、社内調整、機密情報の確認などを担える人は評価され得る。ただし担当業務を広げる機会があるかは職場による。

  • 採用競争と人材移動下がる方向

    同じ仕事を希望する人が多いと給料は上がりにくい。

    大人向けの詳しい説明

    同じ職種に供給が偏ると賃金交渉力が弱まり得る。労働移動や再教育の進み方で結果は変わる。

  • 中小企業の導入コストどちらにも動きうる

    会社によって便利な道具が使える時期は違う。

    大人向けの詳しい説明

    資金、情報保護、古い業務システムなどの制約があり、自動化の速度は業種・規模で異なる。

  • 賃金全体と物価の動きどちらにも動きうる

    給料が増えても物価が上がれば暮らしは楽にならない。

    大人向けの詳しい説明

    実質収入の変化は物価と賃上げ、労働市場の調整に左右される。省力化による利益が賃金に配分される保証はない。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 調整や改善の技能が評価される

    条件事務の定型処理が自動化され、担当者が例外対応や業務改善を担う。

    起きそうなこと複数部署を調整できる人は評価される可能性があるが、全体の賃金が同じだけ上がるとは限らない。

  2. 定型業務の大幅省力化

    条件入力や書類の下書きをAIが処理し、採用する事務人員が減る。

    起きそうなこと仕事の構成が変わり、既存の事務だけを担当する人は転職や学び直しが必要になる可能性がある。

  3. 導入が遅れ仕事が残る

    条件小規模事業所のシステム更新が進まず、紙や例外処理が続く。

    起きそうなこと業務量は残り得るが、生産性の伸びが小さい職場では実質賃金が伸びにくい。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

経済産業省の2040年の就業構造推計(改訂版)は、AIやロボットの活用が進む条件で、事務職の人材供給が需要を上回る可能性を示している。これは事務職全体の条件付き試算であり、一般事務単独の2050年の必要人数を示すものではない。

一般事務では、入力、書類作成、日程調整、数字の照合などの定型業務が省力化される方向を中心に考える。一方、例外対応、部署間の連絡、社内の信頼関係、個人情報の確認は引き続き必要になる可能性がある。企業の規模、旧来のシステムの有無、法令対応によって実装の速度は異なるため、職業そのものが一度に消えるという見立てではない。

働き方

一般事務は製造業、建設業、サービス業などさまざまな企業や団体で働き、正社員、契約社員、パートなどの雇用形態がある。近年はパソコンを使った文書作成、数字の管理、電話やメールでの対応が多く、締切や機密情報の扱いも重要だ。

2050年には入力専任から、システムの出力を確かめる仕事や部署間の調整、改善提案を兼ねる働き方へ移る可能性がある。自動化の進んだ大企業と、紙の処理が残る小規模事業所では必要な技能も異なるだろう。テレワークができる業務もあるが、現場との連絡や来客対応のため出社が必要な職場もある。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 高校までの学習国語、数学、情報を中心に、文章・数字・デジタルの基礎を身につける。
  2. 学校卒業後の進路高校、専門学校、短大、大学などから企業の事務職に応募する道がある。
  3. パソコン技能と仕事の基礎表計算、文書作成、情報管理、ビジネスマナーを学ぶ。特定の国家資格が必須とは限らない。
  4. 職場で経験を積む会計、契約、調整など担当する事務を覚え、他部署の仕組みも理解する。
  5. 専門性を広げる経理、人事、総務、業務改善、データ管理などに学びを広げる。

今から伸ばしたい力

  • 読み手に伝わる文章を作る力
  • 表計算・データの照合に慣れる力
  • 数字や契約書の間違いに気づく力
  • 複数の人の予定や意見を調整する力
  • AIの出力と情報の扱いを検証する力
  • 新しい業務手順を学んで改善する力

出典と前提

最終確認日
2026年10月29日

出典

予測の前提

  • 定型的な情報処理ではAIの普及が進むが、すべての会社に同時には普及しない。
  • 省力化の利益は必ずしも一般事務従事者の賃金に直接還元されない。
  • 例外処理や部署間の調整など、人による確認を必要とする業務は残る。

このページの更新

  • 初稿を公開

ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。