専門・ビジネス

営業職

えいぎょうしょく

企業や個人に商品やサービスを紹介し、相手の課題を聞いて提案・見積もり・交渉を行う仕事。契約後の相談や取引先との関係づくりも担う。

会議室で、40代の男性営業職が、向かいに座る30代の女性担当者にタブレットの資料を見せている。図形を指さしながら内容を説明している。
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はじめに

営業の仕事は、ただ物を売るだけではありません。お客さんが何に困っているかを聞き、商品やサービスで役立てる方法を考えます。説明、見積もり、交渉、契約後の相談まで仕事はさまざまです。相手の話をよく聞き、約束を守ることが大切です。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約661万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)ほぼ変わらない幅:下がる〜上がる
収入
job tagの商社営業には顧客調査・交渉・契約などの仕事があり、AIで資料作成を省力化しても信頼形成と契約調整が残る可能性がある。成果給の仕組みや取引先との交渉力で収入が変わるため、全体の実質収入は横ばいを中心に幅を広く取った。
需要
経済産業省の2040年の就業構造推計では、販売・事務・サービスなどの需要が省力化によって減る可能性が示された。営業でも定型的な商品案内や見積もりの省力化が進み得るが、専門的な提案・交渉は残るため小幅減少を中心とする。
人による差
人による差が広がる

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今の営業職の仕事

今
  • 顧客・市場の情報収集取引先の課題や市場の動向を調べ、提案する相手を探す。
  • 顧客の希望の聞き取り予算や納期、使い方などを聞き、必要な条件を整理する。
  • 商品・サービスの提案相手に合う商品やサービスを説明し、価値と注意点を伝える。
  • 見積もりと条件交渉価格、数量、納期、契約条件などを調整する。
  • 契約と納品の調整契約内容を確認し、社内外と手配や代金の回収を進める。
  • 購入後の相談・関係維持苦情や追加の要望に対応し、長期の取引関係を築く。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 市場分析と提案候補の作成 確からしさ:高 販売履歴や製品情報を整理して候補を示す作業は情報処理に向く。ただし記録が不十分な顧客もいる。
  • 見積もり・資料の下書き 確からしさ:高 販売条件に基づく定型文書や比較表は自動化しやすいが、重要条件は人の確認が必要である。
  • 進捗・顧客記録の更新 確からしさ:高 商談の記録や次の連絡日程の整理は標準化しやすい。誤記と個人情報の扱いには注意が必要となる。

AIと協働

  • 複雑な提案の組み立て 確からしさ:中 AIが複数案を比較しても、現場や納期、相手の優先順位を踏まえた判断が必要となる。
  • 苦情・納品トラブルの調整 確からしさ:高 AIは過去の対応例を提示できるが、個別の事情と謝罪・代替案の合意には人の関与が重要である。

人が中心

  • 顧客の課題を聞いて整理する 確からしさ:高 取引先の事情や将来の計画はデータだけでは十分に分からない。相互の信頼が提案の前提になる。
  • 価格や契約の交渉 確からしさ:高 契約には利害調整と責任が伴い、重要案件ほど相手との合意形成が求められる。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、営業職の一日

午前8時。営業職の健吾は、地域の設備会社へ向かう電車の中で今日の訪問予定を確認した。昨夜のうちに取引先から届いた問い合わせは、AIが製品ごとに整理してくれている。でも、画面にない事情を聞くため、訪問は予定どおり行うことにした。

午前9時半。取引先の担当者が、工場設備の交換を考えていると話す。AIは価格が安い製品をおすすめとして表示したが、担当者は長く止めずに使えることを重視していた。健吾は停電できる時間や修理の体制を詳しく聞き、急いで答えを出さないことにした。

正午前、社内の技術担当とオンラインで話す。二つの製品の条件を比較した表をAIが作ったが、一方の納入予定には古い情報が残っていた。健吾は倉庫へ確認し、正しい日付に直す。便利になっても、約束を間違えれば取引先は困る。

昼食のあと、別の顧客から連絡が入る。納品した機器に不具合があり、作業が止まっているという。端末は同じ機器の対処法を提示するが、まず担当者の不安を聞き、修理担当と訪問時間を調整した。電話を切る前に「今日中に状況を知らせます」と伝える。

午後3時。最初の取引先へ提案資料を送る。最も安い案だけではなく、維持費や修理のしやすさも説明した。相手はその場では決めず、来週もう一度話したいと言う。健吾は質問を記録して、無理に契約を急がせなかった。

午後5時。商談記録の下書きが自動でまとまっている。健吾は価格以外に大切だった条件を書き足し、契約していないのに契約済みと記録された箇所を修正する。

帰宅前、顧客から「困っていた機器が直った」と連絡が届いた。売上だけなら今日は大きく伸びていない。それでも、困った時に連絡してもらえる関係は、次の仕事につながると健吾は思った。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約661万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(厚生労働省job tag掲載の加工値)
調査年
2025年
対象
job tagに対応づけられた職業分類の雇用労働者。独立事業者の事業所得は含まない。
税・賞与
税・社会保険料控除前、賞与等を含む年収
  • 営業職は幅広いため、厚生労働省job tagの「商社営業」を代表ページとして採用し、全国年収660.7万円を円に換算した。
  • 採用ページの統計は商社営業に対応する職業分類のもので、保険営業・住宅営業・IT営業など全営業職の平均年収ではない。
  • 給与は固定給中心の場合と売上・契約による歩合や成果給がある場合があり、担当市場と会社で差が大きい。
  • 雇用労働者の賃金統計であり、独立した営業代理店の事業所得などは含まない。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 顧客の数と購買力どちらにも動きうる

    お客さんの人数や買う力が変わると仕事も変わる。

    大人向けの詳しい説明

    人口減少は国内市場の一部を縮小させるが、新技術や企業向け設備の更新需要は別の方向に動く。

  • AIによる情報収集と見積もり下がる方向

    書類づくりが速くなると必要な人が減る場合がある。

    大人向けの詳しい説明

    AIが見込み客の整理や資料作成を補うことで定型的営業の工数が減るが、商談の難易度は業種によって異なる。

  • 信頼・専門知識・交渉力上がる方向

    相談できる営業の人は頼りにされやすい。

    大人向けの詳しい説明

    顧客の個別事情、契約責任、専門知識が必要な取引では、人の役割を評価する余地がある。

  • 成果給と歩合制度どちらにも動きうる

    売れた量で給料が変わる会社もある。

    大人向けの詳しい説明

    成果連動報酬の比率が高ければ、顧客基盤や担当市場の違いによって収入格差が広がり得る。固定給主体の職場とは分けて考える必要がある。

  • 競争と値下げの圧力下がる方向

    同じ商品を比べやすいと値段の競争が起きやすい。

    大人向けの詳しい説明

    競合比較が容易になり利益率が下がる場合、売上が伸びても営業人員の給与へ配分されない可能性がある。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 提案力と信頼が評価される

    条件定型的な商品説明は自動化され、課題の複雑な取引を支援する営業が評価される。

    起きそうなこと高度な提案と交渉の技能に対価が払われれば、一定の営業職の実質収入が上がる余地がある。

  2. 販売活動が省力化する

    条件顧客データ分析や見積もりなどが自動化され、営業担当者の人数や役割が見直される。

    起きそうなこと仕事の需要は減る可能性があるが、担当者一人当たりの売上や報酬への反映は企業の方針で変わる。

  3. 価格競争と市場縮小が進む

    条件人口減少や商品比較の容易さが進み、標準品では価格競争が強まる。

    起きそうなこと成果給や歩合がある職場では収入の差が広がり、安定した取引をつくる力が重要になる。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

営業職の仕事は業界によって異なる。標準的な商品の説明や見込み客の整理、見積もり作成はAIによる省力化が進み、一定の営業人員の需要を減らす可能性がある。一方で、設備更新、契約条件の複雑な取引、技術的な説明、長期的な顧客支援などでは、相手の事情を聞いて調整する仕事が残ると考える。

経済産業省の2040年の就業構造推計は、事務・販売・サービスなどの職種に余剰が生じるリスクを条件付きで示している。ただし営業職だけの2050年の需給ではなく、AIをどこまで導入するか、市場が伸びるかで結果が変わる。営業の仕事が全て同じ方向に動くとは限らない。

働き方

営業職はメーカー、卸売、IT、保険など幅広い業界で、法人営業、個人向け営業、内勤、訪問、オンライン商談など働き方が分かれる。固定給中心の職場もあれば、契約件数や売上で成果給・歩合が変わる職場もある。顧客情報を扱うため、プライバシーや契約条件の正確な確認も必要だ。

2050年にはAIが商談記録や見積もりを支援しても、複雑な交渉、苦情対応、長い関係づくりは人が担当する可能性がある。担当する地域や商品、会社の評価制度によって収入差が大きくなり得る。海外取引や専門技術の理解が求められる営業では、学び直しが仕事の幅を広げる。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 学校で基礎を身につける国語、数学、情報、社会などの学習に加え、説明や発表を練習する。
  2. 商品・業界について学ぶ高校、専門学校、大学などからさまざまな企業を目指せる。業種ごとに必要な知識は違う。
  3. 企業へ応募する一般の営業職に共通した国家資格は通常必要ないが、商品により専門資格が必要な場合がある。
  4. 現場で商談・顧客対応を学ぶ先輩と同行するなどして、商品の知識、取引先への対応、契約を学ぶ。
  5. 専門性を高める法人向けの技術提案や海外営業、営業企画、マネジメントなどへ進む道がある。

今から伸ばしたい力

  • 話を聞いて相手の課題を見つける力
  • 商品の特徴を正しく説明する力
  • 数字・契約条件を読み比べる力
  • 交渉し、相手との約束を守る力
  • AIの分析を確かめて使う力
  • 新しい業界や技術を学ぶ力

出典と前提

最終確認日
2026年10月29日

出典

予測の前提

  • 営業には法人・個人向けや取り扱う商品によって仕事と報酬体系の違いがある。
  • AIによる定型的な販売準備の省力化が進んでも、個別交渉は残る可能性がある。
  • 顧客数、商品の付加価値、報酬制度の変化が実質所得を左右する。

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ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。