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人事

じんじ

企業や組織で、採用、人員配置、研修、評価、異動など働く人に関わる制度と手続きを扱う。応募者の個人情報を守りながら、職場に必要な人材を確保し、社員が働ける環境を整える仕事だ。

採用面接の席で、男性の人事担当者が応募者の話を聞き、手元の経歴資料を確かめながら面接記録を取っている。
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はじめに

会社で働く人を採用したり、どの部署で働くか考えたり、学ぶ機会を用意したりする仕事です。採用の面接だけでなく、入社した人の相談を聞いたり、育児や介護と仕事を両立できる制度を整えたりもします。人それぞれの事情を大切にし、公平に判断することが求められます。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約525万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)少し下がる幅:下がる〜少し上がる
収入
人事の定型事務は自動化と共同化によって単価が下がる一方、複雑な配置・評価制度を扱う人には価値が残る。賃金への分配は会社ごとに異なり、小幅減を中心にした。
需要
書類の受付・勤怠照合・面接調整の必要人数は減り得る。高齢化と職種転換で相談の難しい案件は残るものの、全体の人員需要は小幅減と見る。
人による差
人による差が広がる

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今の人事の仕事

今
  • 採用計画と募集要件の整理部門ごとの必要人数と業務内容を確認し、求人票の条件を具体的にする。
  • 応募者の選考・面接調整応募書類を適切に管理し、面接者への評価項目と質問方針を共有する。
  • 配属・異動案の検討本人の希望、経験、勤務地、各部署の人員構成を比べ、異動案を組み立てる。
  • 研修・育成制度の運営新入社員研修や技術講習の受講者と成果を確認し、内容を改善する。
  • 育児・介護と勤務の相談受付休業や短時間勤務を希望する社員の話を聞き、制度と部署の運用を調整する。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 勤務記録と手当の照合 確からしさ:高 定められた就業規則に照らして勤怠記録の不一致を探す処理は機械が担いやすい。
  • 研修候補の案内 確からしさ:中 社員の希望と研修内容を照合して候補を出せるが、学びたい方向を本人と確かめる必要がある。

AIと協働

  • 採用面接の事前整理 確からしさ:中 応募者の経歴を要件に照らして整理できても、情報の偏りや説明可能性を人事が点検しなければならない。

人が中心

  • 育児・介護に伴う配属調整 確からしさ:高 休業する人の事情と周囲の業務負担を聞き、差別のない配置案を組み立てるのは人の責任だ。
  • 評価・昇進の異議への対応 確からしさ:高 評価の理由を示し、誤りや不公平があれば訂正する役割を自動の点数だけに任せることはできない。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、人事の一日(架空)

朝の交代勤務が終わるころ、三十代の海斗は食品工場の人事室で短い面談を始めた。社員の一人が、家族の通院に付き添うため、今後は早朝の勤務を減らしたいと話している。工場では新しい設備の導入で仕事の内容が変わり、別の部署なら勤務時間を調整できそうだった。だが、AIが出した配置案は、その社員を「希望する時間に出勤できない人」と分類し、重要な工程から外していた。

海斗は、その点数が何を表しているかを調べた。過去の評価データでは、早朝勤務が多い人ほど昇進しやすかった。しかしその記録だけで、設備の点検が得意かどうかは分からない。本人がこれまで担当した温度管理の記録を読み、現場の班長に必要な技能を聞いた。勤務時間が変わることと、仕事の質が落ちることは同じではなかった。

昼すぎ、海斗は本人と二つの部署の責任者を交えた面談を開いた。新しい工程の研修を受ければ、午後の時間帯に品質記録を確認する仕事へ移れる見通しが立った。研修中に誰が元の仕事を担うかも話し合い、交代要員の負担が急に増えない案を作った。選考に使った情報のうち、本人に見せられるものは説明した。

夕方、海斗は配置システムの評価項目を見直す依頼を記録した。個人の事情を詳しく書き込むことはせず、問題が起きた判定方法だけを報告する。画面には、すぐに決定できる別案も表示されていた。しかし本人の希望と技術が正しく伝わるまで、決定は急がなかった。人事の仕事は人を数字で並べることではなく、一人ひとりが力を発揮できる条件を現実の職場につくることだ。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約525万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(job tag掲載の年収)
調査年
2025年
対象
job tag「人事事務」に対応する人事事務員等の職業分類の雇用労働者。
税・賞与
税・社会保険料を引く前、賞与を含む
  • 2025年全国年収525.2万円は人事事務などに対応する広い職業分類の平均であり、人事部の管理職だけの給与ではない。
  • 採用担当・給与担当・人事制度担当などで責任や必要な技能が異なる。
  • 企業の規模・勤務地・勤続年数によって賃金差が生じる。
  • 外部の採用コンサルタントや人事顧問の事業所得、求人広告への支出は含まない。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 勤怠・応募書類処理の自動化下がる方向

    書類の整理や出勤時間の確認は、機械が助けるようになります。

    大人向けの詳しい説明

    給与・勤怠の大量処理が標準化すれば事務人数の必要量は減る可能性がある。

  • 職種転換と学び直し上がる方向

    新しい仕事を覚える人の研修や配置を考える仕事が増えます。

    大人向けの詳しい説明

    技能転換が必要な企業ほど、研修設計と配属調整を担う人事機能に予算を割く余地がある。

  • 個人情報と選考の公平性上がる方向

    応募した人の情報を守り、不公平な選び方を防ぐ仕事が重要になります。

    大人向けの詳しい説明

    応募書類や評価履歴は個人情報であり、使い方の説明や訂正に対応する制度設計が欠かせない。

  • 働き手の年齢と人数の変化どちらにも動きうる

    働く人が年を重ねると、勤務時間や研修の工夫が必要になります。

    大人向けの詳しい説明

    人材不足が採用・定着支援を強める一方、従業員自体が少ない地域では人事専任者を置きにくい。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 職場の公正性と研修の需要が増す

    条件業務再編によって職種転換が多くなり、研修・配置と評価の公平性が重視される。

    起きそうなこと複雑な人事制度や調整を担う経験者の収入は増加し得る。

  2. 人事の定型事務が統合される

    条件勤怠照合、採用日程調整、福利厚生の申請処理が自動化される。

    起きそうなこと事務処理に限った求人と報酬が縮小し、人事全体の給与を押し下げる。

  3. 小規模事業所が外部委託を増やす

    条件人事部を置けない企業が採用手続や労務事務を共同利用サービスへ移す。

    起きそうなこと企業内の定型職は減る一方、法令と現場の両方を理解する人の需要が残る。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

応募書類の受付、面接の日程調整、勤怠データの照合などは標準化しやすく、人事事務に必要な人数を減らす方向に働く。小規模事業所では外部サービスへの委託も進み得る。

ただし働き手の高齢化や仕事の再編は、配置転換・研修・休業制度への相談を増やす可能性がある。採用業務だけではなく働き続ける条件を調整する業務が残るため、全体の人員需要は小幅減を中心とした。

働き方

企業の人事部や総務部、病院・学校法人等の人事担当として働く。給与や人員表の確認は事務室で行い、面談・研修運営では社員や現場の責任者と直接会う。

年度末、採用時期、異動の発表前などに繁忙期がある。機密性の高い応募書類や評価記録を扱うため、遠隔勤務が可能でも閲覧権限と保管の管理が重要になる。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 高校で法・統計・対話の基礎を学ぶ公民で働く人の権利を学び、情報や数学で表とデータの読み方を身につける。
  2. 大学・専門学校・企業採用から人事へ進む法学・経営学・心理学などを学ぶ道があるが、一般の人事職に必須の国家資格はない。営業や総務などから異動する人もいる。
  3. 採用・労務・研修の実務を経験する採用面談や勤怠管理を学び、必要に応じて社会保険労務士や国家資格キャリアコンサルタントなど関連制度を調べる。

今から伸ばしたい力

  • 応募者の評価項目を仕事内容に結びつける力
  • 勤怠・休業制度と実際の就業条件を照合する力
  • 人の希望を決めつけず面談で聞き取る力
  • 評価制度の偏りと不利益を見つける力
  • 個人情報を必要な人だけに安全に共有する力

出典と前提

最終確認日
2026年10月31日

出典

予測の前提

  • 応募者の評価と配置の最終判断に説明責任を求める制度が続く。
  • 勤怠や書類受付の自動化は企業ごとに導入時期が異なる。
  • 人材不足は人事の仕事を増やし得るが、事務職の賃金上昇を保証しない。

このページの更新

  • 初稿を公開

ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。