建設・設備

庭師

にわし

個人の庭や公園、施設の緑地で樹木の植栽・剪定、石や園路の配置、土壌の手入れを行う。樹種と季節に合わせて枝の伸び方を見極め、庭の景観と人が通る場所の安全性を長く保つ仕事だ。

庭木の手入れで、女性の庭師が枝を片手で支えながら剪定ばさみを使い、低木の形を整えている。
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はじめに

木を切るだけではなく、どの枝を残せばきれいに育つかを考えて、庭や公園の木を手入れする仕事です。石を置く場所や花を植える時期も決めます。はさみやのこぎりを使って少しずつ形を整え、木の病気や土の乾き具合にも気を配ります。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約361万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)少し上がる幅:少し下がる〜上がる
収入
熟練した剪定・植栽・石組みを担う人の供給が細り、価格交渉力が高まる可能性がある。ただし公共施設の維持費と個人の家計予算に制約があり、機械化された標準作業の単価は下がり得る。
需要
新しい個人庭園を造る仕事は人口減少の影響を受ける一方、既存の庭、公園や街路樹の維持管理は続く。機械化と植栽管理需要のどちらが強いかは地域ごとに異なる。
人による差
人による差が広がる

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今の庭師の仕事

今
  • 枝ぶりを見て行う剪定樹種ごとの生長と日当たりを考え、交差する枝や枯れ枝を見極めて剪定ばさみやのこぎりで手入れする。
  • 樹木の植栽と根鉢の据付け植える木の根鉢と植穴の大きさを合わせ、向き・深さ・支柱の位置を調整する。
  • 園路・飛び石・庭石の配置人の歩幅と水の流れを考え、石や土の高さを整えて庭の通り道を造る。
  • 病虫害と土壌の点検葉の色や幹の状態を観察し、必要に応じて施肥、土壌改良、害虫への対処を選ぶ。
  • 緑地の年間管理計画花期・落葉期・伸長期を見ながら、刈込、除草、芝の手入れの順番を組む。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 芝刈りと広場の定期除草 確からしさ:高 平坦で障害物の少ない場所では自律走行機械で定期作業を行いやすい。

AIと協働

  • 樹木ごとの剪定時期の候補作成 確からしさ:中 成長記録や気象データで時期を提案できても、花芽や枝の状態に合わせた最終判断は現場で行う。
  • 大型樹木の枝先と幹の点検 確からしさ:中 画像点検で異常の候補を示せるが、腐朽の程度や作業方法を現場で確かめる必要がある。

人が中心

  • 石組み・竹垣の手仕事 確からしさ:高 石の不ぞろいな形や竹の節に合わせて組む作業は、現場の触感と仕上がりの判断が中心になる。
  • 長く育つ庭の設計相談 確からしさ:中 所有者が望む四季の見え方や手入れの頻度を聞き、数年後の枝張りまで考えて植栽を選ぶ。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、庭師の一日(架空)

剪定ばさみの刃を布で拭き、40代の由佳は小さな日本庭園の池のそばに立った。今日は古い松の枝ぶりを整える日だ。枝に小さな印を付ける端末は、昨年伸びた部分を画像で示している。しかし、残す枝を決めるには、池に映る木の形と、庭に入る人の目線を確かめなければならない。

朝の光が傾くのを見ながら、由佳は脚立を安定した場所に置き、枝の重なりを一つずつほどく。池の向こうから見たときに幹が隠れないよう、切り口の位置を選ぶ。木の下では小型機械が落ち葉を集めているが、飛び石の隙間に生えた草は手で抜く。足元の苔を傷つけたくないからだ。

昼前、管理人から「通路の枝先が去年より低い」と相談があった。由佳は通る人の高さと木の生え方を比べ、必要な枝だけを切る案を示す。切りすぎれば日陰の形まで変わる。枝を数本残す理由を写真に書き込み、翌年の手入れ予定も添えた。午後は新しく植える低木の根鉢をほどき、土の水はけを指で確かめてから深さを調整する。

作業の終わりには、道具を消毒して片づけ、庭の入口からもう一度松を眺める。端末の予測図と比べると、剪定後の形は少し違っていた。それでも池の水面に見える枝は自然で、庭を訪れる人の通り道も広がった。由佳は今の景色だけでなく、来年芽が伸びた先を思い浮かべながら次の管理記録を残す。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約361万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(job tag掲載の年収)
調査年
2025年
対象
job tag「造園工」に対応する「植木職、造園師」などの職業分類の一般労働者。庭師として独立した事業主のみの統計ではない。
税・賞与
税・社会保険料を引く前、賞与を含む
  • job tag「造園工」の2025年全国年収360.8万円を円に換算した。「庭師」はこのページの職業別名として掲載される。
  • 庭園の剪定、公共緑地の施工、ゴルフ場等の維持管理を含み得る職業分類の平均で、個人庭園の庭師だけではない。
  • 独立事業主の売上・経費控除後の所得を示さず、季節、仕事の受注量、地域で差がある。
  • 1級造園技能士など資格保有者に限定した賃金ではない。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 熟練者の高齢化と技能継承上がる方向

    木の種類に合わせた剪定を教えられる人が少なくなると、技術を持つ庭師が頼りにされます。

    大人向けの詳しい説明

    後継者の不足が契約単価に反映される可能性はあるが、雇用主や発注者の予算との交渉が条件になる。

  • 芝刈り・除草の機械化下がる方向

    広い芝生を刈る仕事は、自動で走る機械が引き受ける場所が増えそうです。

    大人向けの詳しい説明

    平坦な緑地の反復作業では必要人数が減る一方、点検・機械保守の作業が残る。

  • 都市の樹木と暑さ対策上がる方向

    街の木を長く元気に保つ手入れが必要なら、庭師の活躍する場所も残ります。

    大人向けの詳しい説明

    街路樹や公共緑地の管理が重視されても、予算確保や管理主体によって契約の量は変わる。

  • 人口減少と庭園の維持費下がる方向

    庭を持つ人が減ったり、手入れ代を払えなくなったりすると、依頼は減るかもしれません。

    大人向けの詳しい説明

    庭のある個人住宅が減る地域では定期剪定が弱まり、寺社・商業施設・公園などの契約が比重を増し得る。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 熟練剪定と樹木管理に報酬が付く

    条件都市の既存樹木を維持する契約が続き、経験ある剪定職人が不足する。

    起きそうなこと高木の点検や難しい剪定を担う人の実質収入は上向き得る。

  2. 広い緑地の管理が機械化される

    条件芝刈りや除草の自動機械が普及し、委託単価は維持費を中心に見直される。

    起きそうなこと標準作業の仕事量は減るが、樹木や石組みの技術に価値が残る。

  3. 所有者の管理費が縮小する

    条件人口減少で私有地の庭が減り、自治体の維持管理予算も抑えられる。

    起きそうなこと地方の受注が細り、経験豊富な人でも稼働率が不安定になる。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

広い芝生の刈込みや反復除草では機械化が進み、人手を求める量は減り得る。対して古木の枝の選び方、石組み、竹垣、病虫害の判断など、現場ごとの条件が大きい仕事は残る。庭づくりの新規受注より、完成した庭の維持管理が中心となる可能性が高い。

個人庭園の多い地域と公園・街路樹の保守を委託する地域では事情が異なる。熟練者不足が続けば受注の待ち時間が延びる一方、利用者が支払える管理費には上限があるため、需要の中心は横ばいとした。

働き方

造園会社、緑地管理会社、自治体の委託先、個人庭園を扱う事業者などで働く。季節に応じて剪定・植栽・芝刈り・除草の仕事量が変わり、屋外での作業が多い。複数人で運ぶ石や高木を扱うときは安全確認が必要になる。

経験を積んで独立する道もあるが、道具、車両、資材処分費、天候による日程変更を経費と稼働に織り込まなければならない。大型施工案件では重機や土木工事の業者と一緒に働く場合がある。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 高校で植物とものづくりの基礎を学ぶ農業系・環境系・工業系の学科や一般科目で植物の生長、土壌、測量の基礎を学ぶ道がある。必須の学歴はない。
  2. 造園会社や職業訓練の現場で技を身につける見習いとして掃除、除草、植栽から始め、先輩の指導で刃物の手入れ、剪定、石の据付けの順に経験を積む。
  3. 造園技能検定に挑戦する国家検定の「造園」職種には3級・2級・1級があり、学科と実技で技能を確認する。受検資格は級や学歴・実務経験により異なるため、実施機関の最新要項を確認する。

今から伸ばしたい力

  • 樹種と季節ごとに花芽や伸びる枝を見分ける観察力
  • 剪定ばさみ・のこぎりを使い切り口を整える手先の技能
  • 地形と水はけを読んで植穴や飛び石の高さを決める力
  • 土壌と病虫害の状態から施肥・手入れを選ぶ力
  • 樹木の高さと脚立の安定を考え作業手順を組む安全判断

出典と前提

最終確認日
2026年10月31日

出典

予測の前提

  • 2050年には平坦な場所の芝刈りと除草の機械化が2026年より進むと仮定する。
  • 公共緑地と個人庭園では管理費の原資が異なり、同じ需要増が賃金増につながるとは限らない。
  • 造園技能の継承が十分進まなければ、難しい剪定や石組みの担い手が不足すると仮定する。

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ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。