専門・ビジネス

バイヤー

ばいやー

小売店や通販会社で売る商品を選び、仕入れ先と数量・価格・納期を交渉する仕事。売上や在庫のデータを見て品ぞろえを決め、メーカーと共同で独自商品を企画することもある。

仕入れの商談で、女性のバイヤーが衣料品の生地と縫製を確かめ、商品一覧を見ながら品ぞろえを検討している。
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はじめに

お店に並ぶ服や食べ物、雑貨を『どれを、いくつ買うか』決める仕事です。売れそうな商品を探すだけでなく、作る人と値段や届く日を話し合い、売れ残りが出ないように考えます。自分が選んだ商品をお客さんが手に取ったときに、結果がわかる仕事です。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約558万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)ほぼ変わらない幅:下がる〜少し上がる
収入
品ぞろえの独自性をつくる担当者は評価されるが、定番品の発注を自動調達基盤へ集約すれば採用数は減る。小売業の粗利益率と価格競争が賃金上昇を抑え、全体では実質横ばいを中心に見た。
需要
すでにPOS情報による売れ行き把握と電子発注が利用され、2050年は補充発注の省人化が進み得る。一方で商品開発と仕入れ先の分散は残り、担当する商品群によって差がつく。
人による差
人による差が広がる

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今のバイヤーの仕事

今
  • 品ぞろえと仕入れ数量の計画店舗別の販売実績、在庫回転、季節の需要を見て、仕入れる品番・色・サイズと発注数量を決める。
  • メーカーとの価格・納期交渉サンプルと見積書を比べ、仕入れ単価、最低発注数量、検品条件、納入日を取引先と詰める。
  • 展示会と産地への買い付け展示会や生産現場で素材、縫製、使い心地を確かめ、店の客層に合う商品を選ぶ。
  • 売れ残りと欠品の分析POSの売上と在庫一覧から値下げが必要な商品や追加発注すべき商品を見分ける。
  • プライベートブランド商品の共同開発デザイナーや製造元と生地・形・原価・販売価格をすり合わせ、独自商品の仕様を決める。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 店舗ごとの補充発注案 確からしさ:高 販売記録と在庫量を組み合わせた定番商品の補充量は機械計算に向き、すでに電子発注が広まっている。

AIと協働

  • 売れ筋と天候を使った仕入れ予測 確からしさ:高 予測モデルは候補を絞れるが、地域の催しや客層の変化など数値に出にくい事情を人が修正する。
  • 売れ残り対策と店頭展開 確からしさ:中 値下げや他店移送の候補は自動提示できるが、ブランド毀損と販売機会を考えた採否は担当者が決める。

人が中心

  • 生地の風合いと縫製の現物検査 確からしさ:中 画像判定が進んでも、着用時の違和感や店のブランドらしさはサンプルを触って確かめる必要が残る。
  • メーカーとの継続取引条件の交渉 確からしさ:中 値下げだけを求めると品質や供給継続が損なわれるため、工場の生産能力と双方の利益を踏まえて契約する。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、バイヤーの一日(架空)

春物の仕入れを決める日、四十代の美緒は売場ではなく、織物産地の小さな工房にいた。展示台に並んだ薄手の上着を指で持ち上げる。販売予測の画面では、この素材は『価格に見合わない』と低い点数だった。だが、美緒は先週、店で服を試した客が『軽いのに透けないものがほしい』と話していたのを覚えている。

工房の担当者は、今年は染色の工程が変わって色むらが出にくくなった一方、少量生産のため納期を延ばしたいという。美緒は画面で在庫と販売時期を照らし、初回の発注を三色ではなく二色に絞る案を出した。定番の黒は機械の提案どおり多めにし、客の反応を確かめたい淡い青は少なめにする。値段を下げる交渉より、返品と売れ残りを抑える取り決めを優先した。

午後、店に戻ると、先月仕入れた別の上着の在庫が余っていた。自動販売システムは一斉値下げを勧めるが、美緒は店舗別の試着率を開く。北の店ではサイズ違いが多く、南の店ではそもそも試着されていない。南の店には展示方法を変えてもらい、北の店には不足するサイズを移す。すべてを安く売る前に、商品が届く相手を見直すことにした。

閉店後、美緒は工房から届いた生地の見本をもう一度確かめる。機械の予測が正しいことも多い。それでも『どんな一着を店に置きたいのか』を言葉にしなければ、生産者も売場の仲間も動けない。明日の朝、二色の試作品をスタッフに着てもらい、着心地を聞く予定を入れた。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約558万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(job tag掲載の年収)
調査年
2025年
対象
job tag『マーチャンダイザー、バイヤー』に対応する企画・調査事務員や商品仕入営業員などの職業分類の雇用労働者
税・賞与
税・社会保険料を引く前、賞与を含む
  • job tag『マーチャンダイザー、バイヤー』の全国年収557.6万円を使用した。バイヤー専用の平均年収ではない。
  • 食品とアパレル、百貨店と小規模専門店では商品の単価、担当予算、賞与体系が異なる。
  • 販売成果が評価に反映される会社もあるが、仕入れ額や商品の売上高を本人の給与として扱ってはいけない。
  • 個人で輸入販売をする事業者の売上や事業所得は、この雇用者の賃金統計には含まれない。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 定番品の電子発注と需要予測下がる方向

    いつも売れる商品の注文は、機械が数を計算して出すようになります。

    大人向けの詳しい説明

    POSや在庫管理の統合で補充業務は小人数化しやすい。仕入れ担当の仕事は商品企画と例外対応へ寄る。

  • 産地と共同で作る独自商品上がる方向

    ほかのお店にない商品を作れる人は、仕入れ先からも頼りにされます。

    大人向けの詳しい説明

    プライベートブランドの仕様決定や生産者との継続契約は、単なる価格比較とは別の技能を要する。

  • 小売業の利益と値下げ競争下がる方向

    お店が安売りばかりすると、仕入れの仕事に使えるお金も減りがちです。

    大人向けの詳しい説明

    人口減少や通販価格との比較で粗利益率が下がれば、販売額が増えても人件費に回らない可能性がある。

  • 天候や原料価格による調達不安どちらにも動きうる

    材料が届かないとき、別の作り手を探す力が大切になります。

    大人向けの詳しい説明

    調達先を分散する必要が増す一方、輸送と原価の負担が増えて買い付け余力を削る。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 小売店が独自商品の開発を強める

    条件店頭だけで買える商品を増やし、産地や工場との共同開発で差別化する。

    起きそうなこと素材と生産現場を理解し、継続取引を組めるバイヤーの交渉力が高まりやすい。

  2. 仕入れが共通の自動調達基盤に集まる

    条件複数の小売チェーンが需要予測と補充発注を共同で処理し、標準品の調達担当を減らす。

    起きそうなこと定型的な発注の仕事は減り、担当者の数と報酬には下押し圧力がかかる。

  3. 気候変動で調達先の変更が続く

    条件素材や農産物の供給が不安定となり、複数の生産地を確保する必要が生じる。

    起きそうなこと産地の事情に詳しい人の価値は増すが、原価上昇で小売業の利益が圧迫され、賃上げにつながらないこともある。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

すでにjob tagは、バイヤーが市場分析、買い付けだけでなく、生産者との商品開発や販売戦略まで担当すると説明している。人口減少で一店当たりの客数が減る地域でも、独自商品によって選ばれる小売店には企画と調達の担当者が必要だ。

ただし定番品の発注や店舗配分は自動化が進む。大規模チェーンでは仕入れ窓口が集約され、担当者の総数が減る可能性がある。需要の中心は小幅減と見つつ、商品開発型と定型調達型の差が広がると考える。

働き方

スーパー、衣料品チェーン、百貨店、通販会社などの本部で働くことが多い。売上表を分析する日は事務所にいるが、展示会や生産工場へ足を運ぶ日もある。商品展示会の時期や繁忙期は国内外への出張が入ることもある。

多くは企業の正社員として店舗勤務や販売経験を積んでから担当になる。仕入れの予算を預かり、売れ残りや欠品が利益に直結するため、流行を追う楽しさだけでなく、数字と契約に向き合う責任も大きい。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 高校で商業・家庭科・数学を生かす売れた数量と利益を計算すること、服の素材や食品表示に関心を持つことが、実務の基礎になる。バイヤーになるための必須の国家資格はない。
  2. 大学・専門学校などから小売企業に入る経営・商学、流通、服飾などを学ぶ道はあるが学部は限定されない。販売員から商品知識を身につける道もある。
  3. 売場と仕入れの経験を積む店舗の販売・在庫管理やバイヤー補助を経験し、担当商品群の発注予算を任される段階へ進む。食品・衣料品で求められる専門知識は異なる。

今から伸ばしたい力

  • 売上と在庫の数字から仕入れ数量を決める力
  • 素材・縫製や食品の品質を見分ける観察力
  • 仕入れ単価と粗利益を計算する力
  • 取引先と納期・数量・返品条件を交渉する力
  • 客層に合う品ぞろえを売場まで考える力

出典と前提

最終確認日
2026年10月31日

出典

予測の前提

  • 2050年にも小売企業が独自の商品を選び仕入れる仕組みが残る。
  • 標準品の発注は自動化が進む一方、契約の責任と商品の現物評価を人が担う。
  • 人口減少と小売価格競争の強さには地域・業態による差が続く。

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