生活サービス

店長(小売・飲食)

てんちょう(こうり・いんしょく)

スーパーや飲食店などの店舗を預かり、売上・在庫・人員配置・衛生や接客品質を管理する仕事。従業員の採用と育成、商品やメニューの販売計画、顧客への対応を通じて、店を継続して運営できる状態に整える。

女性の店長が、商品の並ぶ棚の前でタブレットを確認し、スタッフと売場の在庫や陳列について打ち合わせている。
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はじめに

お店の店長は、品物を売るだけでなく、何をどれだけ用意するか、だれが何時に働くかを決める人です。スーパーなら食べ物が売り切れたり余ったりしないように考え、飲食店なら料理の味や衛生にも気を配ります。困ったお客さんや働く人の話を聞き、お店を動かします。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約385万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)ほぼ変わらない幅:少し下がる〜少し上がる
収入
会計や発注の省力化は進むが、店長の給与は本部の配分、店舗利益、役職手当で決まる。生産性向上が賃金に回る保証はない。
需要
人口減少地域の店舗統合や自動化で店長の席数は抑えられる一方、食品品質と人材管理の責任者は残り、都市・地方で差が出る。
人による差
人による差が広がる

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今の店長(小売・飲食)の仕事

今
  • 日次の売上・粗利益管理売上高と仕入れ原価、値引きや廃棄を確認し、部門ごとの利益の出方を見て翌日の売場を修正する。
  • 発注量・棚割り・販売促進の決定天候や曜日、近隣行事を考えて売れ筋の入荷量と陳列位置、特売品を決める。
  • シフトと人員配置の調整レジや生鮮・惣菜部門の混雑を予測し、勤務可能時間と技能に合わせて従業員を配置する。
  • 衛生・品質と設備の点検食品の温度管理、清掃記録、設備の状態を責任者と確認し、問題があれば販売停止や修理を指示する。
  • 苦情対応と店舗従業員の育成商品の状態や接客への申し出を確認し、返金などの対応と再発防止の教育を行う。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 売上・在庫の需要予測 確からしさ:高 過去の販売、天候、催事のデータを組み合わせた入荷予測は自動化しやすい。ただし急な地域事情は人が補う。

AIと協働

  • 特売と棚割りの最終調整 確からしさ:中 候補の価格と陳列を計算できても、生鮮商品の状態や店の客層を見て実行する判断は残る。
  • 部門横断の勤務割り振り 確からしさ:中 希望休や混雑予測からシフト案は作れるが、未熟な従業員への負担や応援体制は店長が判断する。

人が中心

  • 食品衛生の現場確認と販売判断 確からしさ:中 温度センサーが異常を知らせても、現物の状態や記録を調べ、販売を止める責任を負う人が必要となる。
  • 接客トラブルの事実確認と従業員指導 確からしさ:高 顧客の事情と現場の説明が違うとき、記録だけでは十分でなく双方の話を聞いて対応を決める必要がある。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、店長(小売・飲食)の一日(架空)

閉店まであと二時間。20代の店長・彩花は、夕食を買う人で混み始めた食品スーパーの惣菜売場へ向かった。売場の端末には売れ残り予測と値引き候補が並ぶ。だが、今日は近くの学校の行事が早く終わり、普段より家族連れが多い。彩花は数字をそのまま採用せず、揚げ物の追加製造を少量だけ頼み、食物アレルギー表示と温度の記録も確認した。

バックヤードでは、青果部門から『いちごの傷みが早い』と報告が入った。自動発注は翌日の売れ行きを強気に見積もっている。彩花は納品箱の実物を見て、値引き販売に回せるものと販売しないものを分けた。仕入れ先への連絡を担当者に任せ、傷みを数えた記録を発注データに添える。仕入れた商品を売り切ることと、品質を守ることは同じではない。

レジ前で新人の手が止まった。会計画面には表示されない返品の相談だった。彩花は購入履歴と商品の状態を確かめ、お客に対応方法を説明した後、新人と一緒に返品の手順を復習した。売上の画面では見えない、緊張した表情が少し和らぐ。

夜、事務所に戻ると、AIが翌週の人員配置案を示していた。短時間勤務の人に遅い時間の仕事が集中している。彩花は本人たちの希望と通勤事情を見直し、応援要員を別の売場から回す案に修正した。最後に今日の値引きと廃棄の数字を閉店報告に残す。店を預かるとは、数字を良くするだけでなく、商品と人の両方を守ることなのだ。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約385万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(job tag掲載の年収)
調査年
2025年
対象
job tag「スーパー店長」に対応する「会社管理職員」「小売店店長」等の職業分類の雇用労働者。小売・飲食全体の店長だけを抽出した平均ではない。
税・賞与
税・社会保険料を引く前、賞与を含む
  • スーパー店長の職業詳細ページにある2025年全国年収384.8万円を採用し、円換算した。
  • 飲食店の店長を含む職種名だが、小売・飲食を一括した職種別の平均値ではない。統計上はスーパー店長の対応分類を代理値とした。
  • 店舗の規模・売上高・役職手当・地域や雇用形態により給与差が大きい。
  • 独立店のオーナーが得る事業所得や利益配当は、この雇用者賃金と同じではない。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 自動発注と無人会計どちらにも動きうる

    機械が注文やお会計を手伝うと、店長は人や食べ物を守る仕事に時間を使えます。

    大人向けの詳しい説明

    事務負担の縮小は生産性を高めるが、値下げや本部利益に回れば店長の賃金が同じだけ増えるとは限らない。

  • 食品ロスと物流費どちらにも動きうる

    食べ物を余らせずに売る工夫は、お店の利益とお客さんの安心につながります。

    大人向けの詳しい説明

    生鮮の鮮度管理と値引き判断は現物確認が残り、物流・冷蔵費の上昇で収益改善が相殺されることもある。

  • 地域人口と競合店下がる方向

    お客さんが少なくなる地域では、お店の数や店長の人数も減るかもしれません。

    大人向けの詳しい説明

    人口と購買行動の変化は商圏ごとに異なり、通販比率の上昇や店舗集約の影響も地域差が大きい。

  • 人手不足と育成負担上がる方向

    新しい店員を教え、働きやすい時間を考えられる店長は頼りにされます。

    大人向けの詳しい説明

    採用難は管理職の重要度を高める一方、管理する人数や営業時間の負担が増える可能性がある。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 省力化と現場裁量が両立

    条件発注や会計が自動化され、店長が品質と人員の管理に集中できる。地域の食品需要は維持される。

    起きそうなこと一店で扱える仕事が増えても利益は価格競争に吸収されやすく、実質賃金はおおむね横ばいとなる。

  2. 地域の競争と店舗集約が進む

    条件人口減少地域で小型店が統廃合され、オンライン注文と物流拠点への移行が進む。

    起きそうなこと店長の席数が減り、残る店舗でも負担が増える一方で給与は伸びにくい。

  3. 地域密着型の管理職が高く評価

    条件高齢者への店舗サービスや生鮮品質に投資でき、複数売場を統括する管理人材が不足する。

    起きそうなこと食品安全とスタッフ育成を担う店長の待遇が改善する可能性がある。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

店舗数と店長の需要は同じものではない。人口が減る地域ではスーパーや飲食店の統合・閉鎖、ネット注文への移行が店長の席数を抑える可能性がある。一方、食品販売や対面でのサービス自体が消えるわけではなく、販売品質や人材管理を担う責任者は引き続き必要だ。

都市部・観光地では来店需要が残り、地方でも買物支援の拠点として小型店が重要になる場合がある。AI発注やセルフ会計の普及には設備投資や保守の費用が必要であり、全国で同じ速度には進まない。中心の見通しは需要の小幅減だが、地域や店舗業態によって異なる。

働き方

スーパー、ドラッグストア、飲食チェーンなどの店舗で働き、早朝の開店準備から夜間の締め作業まで営業時間に応じたシフト勤務がある。土日や年末年始が繁忙期になりやすく、店長自身が売場に立つ時間もある。

多くは小売・飲食企業に就職し、担当部門の責任者や副店長などを経て登用される。大手では本部の仕入れ・人事方針に従う部分が大きく、独立店では店主として仕入れ資金や家賃まで負担する。雇用店長の賃金と店主の事業利益は区別が必要だ。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 高校・専門学校・大学などで基礎を学ぶ店長になるための一律の国家資格はない。商業・経営・会計・食品衛生の基礎が役立ち、卒業後の就職経路は企業により異なる。
  2. 店舗に就職し、部門運営を経験する品出し、レジ、発注、売場づくりなどを担当し、売上・ロス・勤務表を実際に扱えるようになる。
  3. 部門責任者・副店長を経て登用される企業内の店長候補研修や店長試験、上司の推薦で就任する例がある。食品を扱う場合は店舗で必要な衛生管理の仕組みも学ぶ。

今から伸ばしたい力

  • 部門別の売上・粗利益・廃棄率を読み、特売の採算を考える力
  • 生鮮商品の鮮度・温度・期限表示に気づき、販売を止める判断力
  • 来店の波を読み、レジ・惣菜・品出しの人員を組み直す力
  • 返品や接客の申し出を、記録と相手の話から公平に処理する力
  • パート・新人に作業を教え、無理のないシフトを作る力

出典と前提

最終確認日
2026年10月31日

出典

予測の前提

  • 小売店の自動発注や会計は普及するが、食品衛生や顧客対応を担う責任者の配置は続く。
  • 人口減少の影響は地域別に異なり、食品を売る店舗と飲食店で統廃合の速度も同じではない。
  • 店舗が得る省力化の利益のすべてが店長の給与に還元されるとは想定しない。

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ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。