スポーツ

力士

りきし

プロスポーツ選手の仕事の一つです

相撲部屋に所属し、本場所の土俵で相手を倒すか、土俵の外へ出して勝敗を競う競技者。四股、すり足、ぶつかり稽古で体を鍛え、番付に応じて取組を行う。十両以上の関取と幕下以下では報酬や待遇が大きく異なる。

稽古場で、40代の男性の力士が、まわしを締めて鉄砲柱に手のひらを当て、突き押しの基本動作を繰り返している。
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はじめに

相撲部屋で仲間とくらし、土俵の上で相手を押したり投げたりして勝負する仕事です。足を高く上げる四股や、すり足、ぶつかり稽古で毎日体を鍛えます。勝ち星を重ねると番付という順位が上がり、十両以上になると毎月の給料がつきます。土俵の礼儀や食事、体を休めることも大切にする仕事です。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約46万円〜約99万円参考値:多くの人が入るおおよその幅
2050年(物価の上昇を除いて)ほぼ変わらない幅:下がる〜少し上がる
収入
関取給与や手当は制度で決まり、2026年には翌年の改定が発表されたが、名目増額が2050年の実質増益になるとは限らない。観戦収益と部屋の費用、番付ごとの配分を考えると実質所得は横ばいを中心に見る。
需要
本場所と巡業の観戦需要や伝統文化としての役割は続く一方、国内人口減少は新弟子と地方巡業の両面に影響する。配信が広がっても有給の関取枠が直ちに増えるわけではなく、需要は横ばいを中心に置く。
人による差
人による差は今と同じくらい

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今の力士の仕事

今
  • 四股とすり足による下半身の鍛錬四股で股関節や足腰の動きを整え、すり足で重心を低く保ったまま土俵を移動する姿勢を練習する。
  • 立合いとぶつかり稽古仕切り線から相手へ踏み込む立合いを確かめ、相手の胸へ当たって押し出すための体の使い方を繰り返す。
  • まわしを取る攻防と決まり手の研究相手の差し手を防ぎ、上手や下手を取って寄り切り・上手投げなどの技につなぐ形を稽古する。
  • 本場所の取組と番付への挑戦本場所では定められた取組に臨み、勝敗と番付を意識して一番ごとに土俵へ上がる。
  • 相撲部屋での共同生活と体調管理稽古後の食事、睡眠、回復を整え、番付や部屋内の役割に応じて掃除や食事の準備も分担する。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 取組映像からの立合い傾向の集計 確からしさ:高 映像に映る初動の踏み込みや得意な決まり手を数える作業は機械に向く。ただし技を仕掛ける間合いそのものは稽古で体得する。

AIと協働

  • 対戦相手に応じた組み手の検討 確からしさ:中 解析は相手が右四つを得意とする傾向などを示せても、土俵で相手の圧力を受けたときの対応は親方との稽古で確かめる。
  • 体重・稽古負荷と回復状況の記録 確からしさ:中 計測機器は負荷の変化を示せるが、稽古の強さや休息の判断には本人と指導者・医療者の確認が要る。

人が中心

  • 立合いから寄り切りまでの実戦 確からしさ:高 触れた瞬間の重さと体勢を感じ、押すか回るかを決めて技を実行するのは土俵に立つ力士だ。
  • 後輩への四股・すり足の指導 確からしさ:中 体の傾きや足の運びをその場で見て相手の体格に合わせて教える仕事は、人との稽古が中心に残りやすい。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、力士の一日(架空)

まだ外が暗いうちに、四十二歳の宗太は相撲部屋の土俵へ入った。幕下の彼は、朝の稽古で誰より先に土を踏む。四股を踏むたびに足の裏へ冷たさが伝わり、すり足でまわしを締めた腰を低く保つ。若い力士が立合いの瞬間に肩を開く癖を見せたので、宗太は相手の胸へまっすぐ入る形をゆっくり実演した。映像の分析画面より、肩が触れたときの圧力が教えてくれることも多い。

今日の稽古相手は、四つ相撲が得意な新しい関取だ。手がまわしに届いたと思った瞬間、宗太の腰が浮いた。踏ん張って押し返すと、親方から「頭を上げるな」と短い声が飛ぶ。何度か取り直したあと、宗太は相手の右手が深く入る前に腕を差し込めた。勝ったわけではないが、力任せではない一歩がつかめた。若い力士の目が、その足の動きを追っていた。

昼のちゃんこを囲むと、部屋の後輩が次の本場所の番付を気にしている。宗太は自分も幕下に長くいることを隠さない。十両へ上がれば毎月の給料がつくが、幕下以下では生活と手当の仕組みが違う。後輩に数字だけを見せず、七番の取組へ向けて体を整える難しさを話す。食後には稽古の映像を一緒に確認し、左足を半歩引く癖を見つけた。

夕方、宗太は誰もいない土俵の脇でまわしを畳んだ。機械には、今日の立合いが昨日より速くなったと表示されている。それだけでは次の相手に勝てるとは言えない。土の感触と親方の声を思い出しながら、明日の稽古では最初の一歩を少し低く出そうと決めた。相撲部屋の廊下から、後輩が四股を踏む音がまだ聞こえていた。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今参考値

約46万円〜約99万円(年収・多くの人が入るおおよその幅)

十両以上の「関取」になると月給が出て、十両で年1,320万円になります(2027年1月から1,440万円)。関取は力士全体の約1割です。

資料
日本相撲協会の力士の給与・場所手当(2026年7月30日の理事会での改定を伝える報道)
調査年
2026年
対象
幕下以下の力士(序ノ口〜幕下)。力士約600人のうち約9割にあたる
税・賞与
場所手当の年額(年6場所)で、税金を引く前。住まいと食事は相撲部屋で用意される
計算方法
幕下以下には月給がなく、本場所ごとに手当が出る。1場所あたり序ノ口7.7万円〜幕下16.5万円を6場所分にすると、年に約46万〜99万円になる。
  • 2027年1月の初場所からは手当が上がり、年に約49万〜108万円になる。
  • 関取の月給は十両110万円、幕内140万円、横綱300万円(2027年1月からそれぞれ120万円、155万円、330万円)。
  • 関取の褒賞金・懸賞金・優勝賞金は含まない。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 番付と関取給与の制度どちらにも動きうる

    十両以上の関取になると毎月の給料がつき、番付で金額も変わります。

    大人向けの詳しい説明

    基本給与は十両・幕内・三役・大関・横綱で異なる。2026年に2027年からの改定が発表されたが、物価上昇後の実質的な増減は改定時期と額次第で変わる。

  • 新弟子の人数と相撲部屋の維持どちらにも動きうる

    新しく入る力士が少なくなると、部屋の稽古や暮らしも変わるかもしれません。

    大人向けの詳しい説明

    入門年齢・体格の要件と人口減少が競技者供給に影響し得る。人数が減っても番付の枠や給与が自動的に上がるわけではない。

  • 本場所・巡業・配信の収益上がる方向

    会場で見る人や映像で応援する人が増えると、相撲を支えるお金が増える可能性があります。

    大人向けの詳しい説明

    映像制作の効率化と国内外の観戦市場は収益機会になるが、協会・部屋・個人のどこに分配されるかが待遇を左右する。

  • 部屋の食費と健康管理下がる方向

    大きな体をつくる食事や、けがを防ぐ体の手入れには費用がかかります。

    大人向けの詳しい説明

    食材価格や身体のケアにかかる費用は部屋の運営と力士の生活に影響する。費用上昇が給与や手当の実質価値を圧迫する可能性がある。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 巡業と観客の広がりが待遇を支える

    条件地方巡業と海外向け配信が安定した収益を生み、その一部が力士の給与・手当改定につながる。

    起きそうなこと番付ごとの待遇を維持または改善しやすい。ただし上位の収益が幕下以下にどの程度届くかは制度次第だ。

  2. 観客は維持され物価だけ上がる

    条件チケットや配信の収入が伸びず、食材・移動・部屋の維持費が高くなる。

    起きそうなこと名目の給与が同じでも実質価値は下がり得るため、給与・手当の改定が焦点になる。

  3. 地域の巡業機会が減る

    条件地方の観客人口と受け入れ会場が減り、巡業の開催数が縮小する。

    起きそうなこと本場所は続いても地域公演による収益や力士に接する機会が減る可能性がある。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

相撲の魅力は、土俵の上で人が力と技を競い、立合いの一瞬で勝敗が変わることにある。映像解析や遠隔配信が発達しても、実際の取組や巡業で人が力を合わせる仕事は残る。海外からの観戦や配信も収益源になり得るが、観客数が増えることと有給の関取の枠が増えることは別だ。

少子化は新弟子の人数に影響し、地方の巡業先は人口構成や会場の確保によって差が生じる。本場所の伝統と継続的な観戦需要を前提に、力士への需要はおおむね横ばいを中心に見る。ただし入門制度の変更や観戦収益の分配次第では、部屋数や関取以外の生活環境が変わり得る。

働き方

力士は相撲部屋に所属し、親方の指導を受けて四股、すり足、ぶつかり稽古などを重ねる。部屋の共同生活では食事の準備、掃除、後輩の指導などを番付に応じて分担する。午前中の稽古を軸に食事と休息で体を整える生活になる。

本場所は年6回行われ、幕内・十両の関取と幕下以下では取組数や待遇が異なる。十両以上には基本月給があり、幕下以下は場所手当等の仕組みとなる。昇進すれば働き方と収入が変わり、部屋の人間関係、巡業、稽古環境も重要になる。

力士になるには

今
  1. 1中学を卒業する
  2. 2相撲部屋に入門を申し込む
  3. 3新弟子検査に合格する
  4. 4相撲部屋で稽古し、本場所の土俵に上がる
学歴の目安
学歴の条件なし
よく通る道
オーディション・プロテスト
代表的な資格
必ず必要な資格はありません

この仕事でよく使う教科保健体育

高卒でなれる仕事大学に行かなくても目指せる仕事

くわしい進路と資格

  1. 学校や地域の相撲で基礎を身につける四股、すり足、立合いなどの基本を練習し、アマチュアの大会で経験を積む。一般的な入門は義務教育を終えた健康な男子で原則23歳未満など、協会の条件を確認する。
  2. 相撲部屋の親方を通じて新弟子検査を受ける所属を希望する相撲部屋の師匠を通じて届出を出し、健康診断と新弟子検査を受ける。2026年時点の基本体格基準は身長167cm・体重67kgで例外の扱いもある。
  3. 部屋で稽古して番付を上げ、十両を目指す序ノ口などから取組の勝敗を積み、三段目・幕下を経て十両以上の関取を目指す。新弟子の年齢・競技歴による特例や番付制度は最新の協会規則で確認する。

今から伸ばしたい力

  • 四股やすり足を崩さず繰り返す足腰の強さ
  • 相手の重心を触れて読み取る組み手の感覚
  • 立合いで体の軸を保って踏み込む集中力
  • 番付の上下に気持ちを左右されすぎず稽古を続ける姿勢
  • 相撲部屋の礼儀と共同生活を守る協調性

出典と前提

最終確認日
2026年11月6日

出典

予測の前提

  • 2050年も本場所で実際に取組を行う力士と番付制度が維持される。
  • 関取の給与と幕下以下の場所手当の区別は将来変わり得るため、2026年の仕組みを確定した未来制度とはしない。
  • 観戦収益、地域巡業、入門者の供給は人口構造や制度によって異なる方向へ変化する。

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ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。