公務・安全

警備員

けいびいん

オフィスビル、商業施設、工場などで受付、出入管理、巡回、防災監視を行い、建物を利用する人と設備の安全を支える仕事。施設警備を中心に、鍵の管理や防火設備の点検、異常時の連絡と避難誘導などを担う。

施設の巡回中に、女性の警備員が扉の施錠状態を確かめ、携帯無線機で確認結果を連絡している。
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はじめに

建物に入る人を確かめたり、廊下や出入口を歩いて安全を見守ったりする仕事です。大きな施設では監視カメラの画面を見て、防火扉や非常口が使えるかも確認します。困っている人への案内や建物の決まりにそった対応も、警備員が考えて行います。警察官とはちがい、人を取り締まる特別な権限はありません。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約380万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)ほぼ変わらない幅:少し下がる〜少し上がる
収入
job tagでは施設警備の求人倍率が高く、現場要員不足が賃上げ圧力になる一方、警備会社は顧客との委託料金の交渉に左右される。遠隔監視による省人化で生まれる利益が現場職員に配分されるとは限らないため、実質収入は2026年比で横ばいを中心にした。
需要
施設警備は警備業法上の1号業務として出入管理・防災監視・巡回を担う。遠隔監視や自動入館管理で人数が減る施設がある一方、現場確認と人への案内は残るため、2050年の人員需要は横ばいを中心とする。
人による差
人による差が広がる

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今の警備員の仕事

今
  • 来訪者の入退館確認受付で訪問先と入館許可を確認し、立入り範囲や館内の注意事項を伝える。
  • 防災・防犯の館内巡回決められた巡回経路を歩き、防火扉や非常口、施錠状態に不具合がないか調べる。
  • 防災盤・監視カメラの監視防火設備やセンサーの表示を監視し、点検表示と実際の施設状況を照合する。
  • 鍵と入館カードの受け渡し管理清掃・保守作業の担当者へ権限に応じて鍵や入館カードを渡し、返却を記録する。
  • 避難経路の確認と関係者への連絡館内の通路が使えるか確認し、設備担当や施設管理者に必要な対応を伝える。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 入館記録の照合 確からしさ:高 予約情報と入館記録の形式的な一致は自動照合しやすいが、例外の訪問理由や本人確認で人に確認する場面が残る。
  • 監視カメラと防災盤の一次監視 確からしさ:中 映像・センサーの継続監視は機械に向くが、誤警報や機械の故障を前提に確認手順が必要になる。

AIと協働

  • 扉や通路の現場巡回 確からしさ:中 巡回ロボットが移動を補助しても、車いすが通れる幅や仮設物の置き方など現場の細部は人が確かめる余地が大きい。

人が中心

  • 来訪者への制限事項の説明 確からしさ:高 立入り範囲に例外が生じたときの説明や相手の事情を聞く対応には、施設の管理権の範囲を守る判断が求められる。
  • 避難誘導の手順確認と訓練 確からしさ:中 訓練案内は自動化できても、利用者の移動のしやすさを見て安全な経路を準備し直す役割は残る。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、警備員の一日(架空)

文化施設の開館前、二十代の警備員・結衣は、警備室の鍵箱から展示室の点検用カードを受け取った。この日は新しい科学展の初日で、開場後には小さな子どもから車いすの来場者まで多くの人が訪れる。巡回ロボットはすでに通路を一周し、監視画面には「異常なし」と表示されている。結衣はそれを見てから、自分の足でも非常口までの道を歩き始めた。

展示室の奥で、結衣は立ち止まる。昨日まで何もなかった場所に、大きな案内パネルが置かれていた。扉は開くが、パネルの角が通路に張り出している。人が混み合うと、車いすで通るには狭いかもしれない。結衣は歩幅で幅を確かめ、施設の担当者へ連絡した。担当者は展示の見やすさを気にしたが、結衣は別の置き場所を図面で示した。

開館直前には展示スタッフと一緒に通路を歩き直す。案内パネルは少し移され、避難口まで曲がらずに進めるようになった。結衣は作業した人の入館カードを回収し、鍵の返却欄を確認する。そのころ入口では、予約時間を間違えた親子が受付で困っていた。結衣は入館の決まりを説明し、受付担当につなぐ。入れると勝手に約束することも、理由なく追い返すこともしない。

午後、警備室では巡回記録とセンサーの点検履歴が自動で整理されていた。結衣は画面の「異常なし」の横へ、案内パネルを移した時刻と確認した担当者を記入する。機械が見つけるのは、設定された危険のしるしだ。誰がどこを通るのかを思い浮かべて確かめることは、今日も自分の仕事だった。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約380万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(job tag掲載の年収)
調査年
2025年
対象
job tag『施設警備員』に対応する職業分類に含まれる雇用労働者。施設常駐警備を代表例にした集計で、交通誘導・雑踏警備など警備員全体の平均ではない。
税・賞与
税・社会保険料を引く前、賞与を含む
  • job tag『施設警備員』に表示された2025年の全国年収379.9万円を円換算した。警備員には施設警備以外に交通誘導、雑踏警備、輸送警備など複数の業務区分がある。
  • 常駐先の施設規模、夜勤・交代勤務の有無、経験年数、雇用会社や地域によって給与は異なる。
  • 公共の警察官と異なり民間の警備員には一般的な捜査・取締りの権限がなく、給与制度も警察職の俸給表とは別である。
  • 独立事業主として警備事業を経営する場合の事業所得や、施設管理者の給与とは異なる。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 防災監視と現場の巡回需要上がる方向

    建物の安全を確かめ、困っている人を案内する仕事はこれからも必要です。

    大人向けの詳しい説明

    施設には入退館管理と防災設備の日常確認がある。遠隔監視だけでは完結しない現場業務の価値が残る。

  • 監視カメラ・入館システムの高度化下がる方向

    カメラやセンサーがよく働くほど、画面を見続ける人数は減るかもしれません。

    大人向けの詳しい説明

    機械警備と遠隔監視の導入費・通信環境・保守体制がそろう施設から常駐人数を見直す動きが広がり得る。

  • 施設警備業務検定と担当者の経験上がる方向

    火災への備えや入館の決まりをよく知る人は、より難しい現場も任せられます。

    大人向けの詳しい説明

    警備員には新任教育があり、施設警備業務検定1級・2級の制度もある。資格と現場判断を待遇へ反映するかは契約先と雇用主による。

  • 警備委託契約の価格競争下がる方向

    警備の料金が安さだけで選ばれると、働く人の給料は上がりにくくなります。

    大人向けの詳しい説明

    発注者が警備を費用と考えて単価引上げを認めなければ、人手不足でも賃金を上げにくい。夜勤負担と人員確保の両立が課題になる。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 人材不足で現場対応が評価される

    条件大規模施設の夜間・休日の現場要員が集まりにくくなり、発注者が安全確認と接遇の品質に対価を払う。

    起きそうなこと資格と現場経験を持つ警備員の待遇は改善し得るが、警備契約の料金改定が伴うことが必要になる。

  2. 遠隔監視と入館管理の統合が進む

    条件複数施設の映像・センサー・入退館記録を遠隔センターでまとめて監視する設備が普及する。

    起きそうなこと常駐の人数を絞る施設が増え、現場の案内や非常口点検など人に残る業務へ配置が集中する。

  3. 低価格の警備委託競争が続く

    条件警備会社が契約単価を引き上げられず、設備投資費も受託側が負担する。

    起きそうなこと仕事の重要性が高くても賃金上昇が抑えられ、警備員の離職や施設ごとの品質差につながるおそれがある。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

施設警備には来訪者の出入管理、鍵の管理、館内の巡回、防災監視、施設関係者への連絡がある。job tagの施設警備員の2025年度の有効求人倍率は3.59で、現状は募集に対して人が集まりにくい状況が見える。ただし、この数字を2050年まで続く不足率とみなすことはできない。

顔認証、監視カメラ、遠隔警備室が普及すれば、受付や定型監視に配置する人数は減り得る。一方、現場の巡回や避難経路の確認、来訪者への対応は残るため、全体の人材需要は横ばいを中心とし、地域と建物の種類による差が大きくなると考えた。

働き方

警備会社に雇われ、商業施設、オフィスビル、工場、倉庫、文化施設などの受託先で勤務する。施設に常駐する場合と、複数の施設を回る場合があり、受付・監視・巡回を交代で担う現場もある。警備員は施設管理を助ける民間人で、警察官と同じ取締権限は持たない。

建物が開いている時間に合わせて早朝・夜間・休日の交代勤務がある。勤務前の引継ぎ、鍵の受け渡し、警備日誌の記録が欠かせない。警備業法に基づく新任教育と、採用後の継続的な教育を受ける。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 学校で安全ルールと接遇の基礎を学ぶ施設警備の入職に大学・専門学校卒業や事前の資格は一般に必須ではない。ただし警備業法の就業制限があり、18歳未満は警備員になれない。
  2. 警備会社に応募し法定の新任教育を受ける採用後に警備業法に基づく20時間以上の新任教育を受け、担当施設の入館手順、防火設備、通報連絡などを訓練する。
  3. 現場経験を積み施設警備業務検定に挑む施設警備業務検定には2級・1級があり、1級では原則として2級の合格証明書交付後に1年以上の実務経験などの受検条件がある。警備員指導教育責任者へ進む道もある。

今から伸ばしたい力

  • 出入口の許可条件と入館カードの扱いを正確に守る力
  • 非常口・防火扉・施錠の状態を巡回で見抜く観察力
  • 監視盤の表示と現場の設備状態を突き合わせる力
  • 来訪者に施設のルールを落ち着いて説明する力
  • 警備日誌に発見時刻・連絡先・対応経過を残す記録力

出典と前提

最終確認日
2026年10月31日

出典

  • 施設警備員-職業詳細(厚生労働省(job tag))、2026年10月31日取得 施設警備の仕事内容と法律上の位置付け、就業と教育、2025年の年収379.9万円および求人倍率3.59を確認
  • 施設警備業務1級・2級(奈良県警察本部)、2026年10月31日取得 施設警備業務検定の2級・1級の区分、1級受検に必要な実務経験要件を確認

予測の前提

  • 2050年も民間の施設警備には現場に入る人の確認や防災設備の点検が必要だと仮定する。
  • 遠隔監視設備は普及するが、通信費用や設備の古さにより施設ごとの導入時期が異なると仮定する。
  • 人材不足が賃金に反映されるかどうかは警備委託契約の単価と技能評価に左右されると仮定する。

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ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。