食・農 想像の仕事

ブルーカーボン・コーディネーター

ぶるーかーぼん・こーでぃねーたー

漁業者や企業、自治体と一緒に海藻の藻場やアマモ場を育て直し、海が吸収した二酸化炭素の量を測ってクレジットとして認証・取引する流れを支える仕事になりそうだ。

はじめに

海の中の海藻の森を、漁師さんたちと一緒に育てる仕事です。海藻は二酸化炭素を吸ってくれるので、どれくらい吸ったかを測って記録します。その量を「クレジット」という形にして会社に買ってもらい、そのお金でまた海を育てます。海と人と会社をつなぐ役目です。

今ある芽

芽が出はじめている

実証や制度づくりが始まっていて、条件がそろえば広がりそうなものです。藻場の保全はこれまで漁業者や地域のボランティアが中心で、吸収量の計測やクレジットの手続きまで担う専門職はまだ少ない。海の吸収量を認証する制度が広がり、企業の買い手が増えれば、現場と制度の両方が分かる調整役が必要になりそうだ。

2050年、どんな仕事をしている?

2050年想像の仕事
  • 藻場の面積と量の調査ドローンの空撮と潜水での観察を組み合わせ、海藻が生えている広さと密度を季節ごとに記録する。
  • 吸収量の算定と申請調査の結果を決められた計算方法にあてはめて二酸化炭素の吸収量を出し、認証を受けるための書類を整える。
  • 食害対策の計画海藻を食べてしまうウニや魚の数を調べ、漁業者と一緒に駆除や移植の時期と場所を決める。
  • 買い手企業との調整クレジットを買う企業に活動の中身を説明し、社員の現地活動や、資金の使い道の報告を取りまとめる。
  • 地域の担い手づくり地元の子どもや高校生向けの観察会を開き、藻場を守る活動を次の世代につなぐ。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、ブルーカーボン・コーディネーターの一日(架空)

凪の朝は、海の中がよく見える。四十代の由美は、漁協の正樹さんの船に乗り、湾の入り口でドローンを飛ばした。手元の画面には、緑と茶色のまだらが広がる。春に植え付けたアマモの区画が、去年より沖の方へ伸びているのが分かった。

空撮のあとは、潜水の担当者二人が海に入り、決められた枠の中の株の数と長さを数えていく。由美は船の上で、上がってきた数字を空撮の画像と合わせて記録した。北側の岩場では、ウニが集まって海藻の根元を食べている場所が見つかった。正樹さんは「来月の漁の合間に、仲間と取りに入る」と言った。

港に戻って昼を食べたあと、由美は認証を出す団体の審査員とオンラインで話した。今年の申請では、測り方を一部変えている。審査員は、変える前と後で数字を比べられるかを質問した。由美は両方の方法で測った区画の記録を見せ、差の理由を説明した。吸収量を大きく見せないことが、クレジットの信用を守ると由美は考えている。

夕方、クレジットを買っている食品会社の社員たちが、港の集会所に集まった。来週、植え付けの作業に参加する人たちだ。由美は今日の空撮の画像を映し、自分たちのお金がどこに使われたかを見せた。窓の外では、漁から戻った船が一隻ずつ岸に着いていた。

この仕事に近づくには

今

今からできること

  1. 中学理科の生物と、社会の地理で海や漁業について学ぶ。海辺の清掃や磯の観察会に参加してみる。
  2. 高校生物と化学を学ぶ。水産高校で、船や潜水、海の生きものについて実習を通して学ぶ道もある。
  3. 大学・専門学校大学の水産学部や海洋系の学部、農学部の水産系学科が近い。潜水士や小型船舶操縦士の資格を取っておくと、現場の調査で役立つ。

今から伸ばしたい力

  • 海の生きものと生態系への興味と知識
  • 船の上や水中でも落ち着いて記録をとる体力と観察力
  • 計算のルールにそって数字を出し、根拠を説明する力
  • 漁業者、企業、行政の人それぞれの言葉で話す力
  • 地域の人と長くつきあい、信頼を積み重ねる力

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出典と前提

最終確認日
2026年11月4日

出典

この仕事が広がる前提

  • 海の二酸化炭素吸収量を認証する制度が続き、買い手となる企業が増えていること。
  • 藻場の吸収量を比べられる形で測る方法が、さらに整っていること。
  • 漁業者が藻場の保全を、漁業と両立できる取り組みとして続けられること。

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