旅行会社の社員
りょこうがいしゃのしゃいん
旅行会社の窓口や手配部門で、旅行者の希望と予算を聞き、航空券・列車・宿泊先・観光サービスの組合せを提案して予約する。旅程と料金、変更・取消条件を説明し、出発前後の問い合わせにも対応する。

はじめに
家族旅行や修学旅行を考えている人に、行きたい場所や予算を聞き、電車・飛行機・ホテルを選んで予約する仕事です。どんな旅行なら楽しめるかを一緒に考え、キャンセルするときの決まりも説明します。旅行の予定を変えるときにも相談にのります。
2050年の見通し
2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。
- 収入
- 標準的な航空券・宿泊予約の手数料が下がると窓口担当の給与に下押しが働く。団体手配や契約管理の専門性は評価され得るが、旅行会社の利益配分と店舗維持費も影響するため実質小幅減を中心とする。
- 需要
- 顧客自身が予約・比較できる手段の拡大で通常の店頭販売は縮小する可能性が高い。学校・法人の複雑な手配と契約説明は残るため、大幅減を確定はしない。
- 人による差
- 人による差が広がる
今の旅行会社の社員の仕事
- 旅行条件の聞き取りと商品提案行き先、人数、日程、予算、移動の負担などを確認し、パッケージ旅行と個別手配の選択肢を比較して説明する。
- 航空・鉄道・宿泊の空席照会と予約予約端末で運賃規則と空席・客室を確認し、組合せの総額と予約期限をそろえて申し込む。
- 旅行取引条件と取消料の説明募集型企画旅行か手配旅行かを区別し、約款、変更・取消条件、旅程に含まれるサービスを契約前に確認する。
- 団体旅行の行程・見積書作成学校や職場などの団体から希望を聞き、人数別の交通・宿泊・食事の見積りを取り、訪問先との時間を調整する。
- 変更・払戻しの手続き顧客の事情や運行変更に応じて運送・宿泊事業者の規則を照会し、代替案と発生費用を説明して手続きする。
2050年、仕事はどう分担される?
業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。
AI・ロボットが中心
- 通常の空席検索と価格比較 確からしさ:高 運賃と空室の情報照会、複数プランの比較表は自動化が進む。ただし料金の確定や購入条件は提供元の記録で照合する。
- 旅行代金の明細作成 確からしさ:中 運賃・宿泊代・手数料を明細へ反映する処理は自動化しやすいが、手配先との精算記録が一致するか点検が要る。
AIと協働
- 旅行条件に合う行程の設計 確からしさ:中 移動時間と予算の候補をAIが組み合わせても、足が不自由な同行者や未成年者の条件を聞いて無理のない旅を選ぶ役割は残る。
- 複雑な団体手配と受入先交渉 確からしさ:中 大人数の席や食事条件、繁忙期の代替案は自動検索だけでは確保できず、受入先への打診と契約判断が必要となる。
人が中心
- 重要事項と取消条件の最終説明 確からしさ:高 予約経路と契約の種類で返金・変更条件が異なる。取引条件を誤解なく伝え、顧客の質問を受けて確認する責任は人に残りやすい。
2050年の一日
2050年、旅行会社の社員の一日(架空)
窓口の予約台帳に、修学旅行の相談が一件届いた。五十代の旅行会社社員・直樹が目を留めたのは、目的地よりも「車いすを使う生徒が二人いる」という備考だった。学校は工場見学と海辺の学習施設を希望しているが、AIの自動見積りは最短時間の乗換えを優先し、駅のホーム間移動がぎりぎりだった。直樹は学校の担当教員に電話し、必要な移動時間と参加者の人数を聞き直した。
次に、列車の団体座席と宿泊施設の空室をそれぞれ照会する。端末は料金を低い順に並べたものの、実習室の入口には段差があると施設案内に書かれていた。直樹は受入先へ連絡し、別の見学通路と休憩場所を使えるか確かめた。見学時間を十五分ずらす代わりに、学校側が希望する実験の時間を残せることが分かった。
午後には教員二人が窓口に来た。直樹は、宿泊先を駅前から港の近くへ変更した案と、列車の時間を前倒しした案を大きな地図に並べた。値段だけでなく、雨が降った際の歩行距離や、出発後に人数が変わった場合の取消料も説明した。教員が「同じ旅行でも、どこに負担がかかるか違うんですね」とうなずいた。
夕方、予約を仮押さえした直樹は契約条件を読み返し、団体名と利用日がすべて一致しているか照合した。端末が作った旅程は整っている。しかし、一番大切な見学を諦めず、全員が参加できる形にするためには、誰に何を確かめるかという順番がものを言った。翌朝は受入施設からの回答をもう一度確認して学校へ知らせる予定だ。
収入
平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。
今の年収
約525万円(年収・平均値)
- 2025年のjob tag全国年収525.1万円を採用したが、旅行会社社員だけの平均ではなく、広い営業・販売関連事務の職業分類を含む。
- job tag掲載の求人賃金月額25万円は求人広告の別指標であり、年収525.1万円と単純比較できない。
- 窓口販売、法人向け手配、商品企画では報酬体系と求められる技能が異なり、都市部と地方でも差がある。
- 独立旅行代理店の売上や旅行販売手数料を、会社員の税引前給与と混同しない。
収入を動かすもの
AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。
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オンライン予約と個人向け旅行AI下がる方向
ホテルや電車を自分の端末で予約できると、窓口で買う人は少なくなるかもしれません。
大人向けの詳しい説明
標準的な発券・比較業務の販売手数料が縮小し、店舗維持費を賄いにくい事業者が増える可能性がある。
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団体の部屋割りと移動の手配上がる方向
たくさんの人が一緒に泊まり移動する旅行では、条件を細かくそろえる人が役立ちます。
大人向けの詳しい説明
修学旅行や企業研修は座席・食事・契約上の責任を伴い、一般個人予約と異なる専門性がある。
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契約・取消条件を説明する責任どちらにも動きうる
旅行をやめるときの料金や返金の決まりを、分かるように伝える仕事が残ります。
大人向けの詳しい説明
旅行業務取扱管理者の管理監督下で取引条件と契約書面に関わるため、説明業務は省人化と規制対応が並行する。
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旅行会社の収益分配と店舗数下がる方向
旅行がたくさん売れても、会社で働く人の給料が同じように増えるとは限りません。
大人向けの詳しい説明
取扱高と利益は別であり、航空会社等への支払、店舗費、デジタル基盤費、賃金交渉力で所得への配分が変わる。
2050年の3つのシナリオ
未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。
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複雑な旅行の相談に特化する
条件学校・企業旅行や配慮を要する旅行で、人が旅程や契約の条件を説明する窓口が評価される。
起きそうなこと手配の難しさに合う手数料や専門職の給与が確保されれば、熟練者の実質収入は維持・改善し得る。
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一般予約が個人の端末へ移る
条件国内外の航空券・宿泊の比較と購入を顧客自身のAIが行い、代理店窓口の標準予約が縮小する。
起きそうなこと取扱件数と店舗数が減り、販売手数料も下がれば定型業務の担当者の賃金には下押しが働く。
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地域体験と団体手配の受注が続く
条件学校・団体と受入施設の間で人数、日時、バリアフリー条件を詰める需要が残り、営業所が専門担当を育成する。
起きそうなこと高度な手配と契約管理に仕事は残るが、旅行会社の利益が従業員へどの程度配分されるかで給与差が開く。
働き方と暮らし
人手は足りる? 余る?
旅行会社カウンター係は、決まったパッケージツアーを販売するだけでなく、顧客の予算に合わせて航空券・鉄道・宿泊を組み合わせる。窓口の標準予約はインターネットで置き換わりやすく、2050年には本人の端末が比較と購入を引き受ける範囲がさらに広がる可能性がある。
一方、学校や企業の団体旅行、障害のある参加者への配慮、複雑な取消条件など、予約先と交渉しなければ解けない仕事は残る。訪日旅行者が増えても国内の旅行会社窓口に必ず売上が入るわけではない。地域別の観光需要と店舗網が異なるため、全体の需要は小幅減を中心に置く。
働き方
旅行会社の店舗、駅前の営業所、法人営業・手配部門などで働く。窓口は土日祝日に顧客が集まるため平日休みの職場もあり、旅行シーズン前は予約と問い合わせが集中する。店頭接客だけでなく、旅館や交通機関への連絡、契約書類の作成がある。
オンライン専業会社では遠隔での相談や手配が中心になり、店舗販売担当者は減る可能性がある。逆に法人・学校向けの担当者は説明会や施設下見に出向く。定型予約の処理時間が減っても、売上から給与へ配分されるとは限らない。
この仕事に近づくには
進路と資格
- 旅行会社の販売・手配部門へ入社する入職に法律上の一律の学歴要件はない。商業・観光・語学などを学び、旅行会社の店舗や法人営業部門で予約端末と旅行約款の扱いを覚える。
- 国内・総合旅行業務取扱管理者試験を学ぶ旅行商品、運賃・料金、地理、法令などを学び、扱う範囲に応じ国内・総合または地域限定の旅行業務取扱管理者国家試験を受ける道がある。一般の旅行会社社員全員に資格が義務づけられるわけではない。
- 旅行業務取扱管理者または専門手配担当へ進む国家試験合格と現場での経験を積み、旅行業務取扱管理者として営業所の取引を管理するか、団体や海外・教育旅行などの専門手配を担う。営業所ごとに有資格者を選任する制度がある。
今から伸ばしたい力
- 旅行業約款と取消料を読み解く力
- 列車・航空・宿泊の予約条件を照合する力
- 団体の部屋割りや移動計画を設計する力
- 顧客の希望と予算の優先順位を聞き取る力
- 予約先と交渉し契約内容を確認する力
関連する職業
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生活サービス ツアーコンダクター 団体旅行に同行し、集合から解散まで行程を管理する仕事。交通機関や宿泊先との連絡、受付、食事・入場の手続き、参加者への案内を担い、予定変更が必要なときは安全と時間を考えて旅行を進める。
2050年の収入少し下がる -
生活サービス ホテルスタッフ ホテルや旅館のフロントで、チェックイン・チェックアウト、客室の割り当て、精算、観光や交通の案内を担う仕事。清掃や設備の担当と連携し、夜間の急病や災害にも対応する。
2050年の収入ほぼ変わらない -
生活サービス 販売員 店頭で客の相談に応じて商品を案内し、会計や返品・交換、品出しと陳列、在庫の確認と発注を行う仕事。衣料品店ではサイズや着こなしの相談、裾上げなど直しの受付も担う。
2050年の収入ほぼ変わらない
出典と前提
出典
- 旅行会社カウンター係|職業詳細(job tag)(厚生労働省)、2026年10月31日取得 窓口手配・労働条件・2025年全国年収525.1万円と職業分類を確認
- 旅行業務取扱管理者(観光庁)、2026年10月31日取得 旅行業務取扱管理者の営業所選任義務と国家試験の種類を確認
予測の前提
- 個人旅行の比較・予約の自動化が進むが、取引条件の最終説明と苦情対応は人の監督下に残る。
- 教育・企業向け団体旅行の手配需要は一部残るが、旅行会社の収益はオンライン直販と競合する。
- 現行の旅行業法制度を2050年にそのまま維持する前提は置かず、制度変更を予測の幅に含める。
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