専門・ビジネス

不動産仲介

ふどうさんちゅうかい

住宅や土地を売りたい人と買いたい人、部屋を貸したい人と借りたい人の間に立ち、物件紹介・内見・条件交渉・契約を支える仕事。権利関係や建物の状態を確かめ、取引の重要事項を説明する。

住まいの内覧で、男性の不動産仲介担当者が間取り図と鍵を持ち、女性客に室内の設備を案内している。
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はじめに

家や部屋を売りたい人、買いたい人、借りたい人をつなぐ仕事です。家の中を案内するだけでなく、駅からの道や建物の傷み、土地の決まり、契約にかかるお金も調べます。住む場所は大きな買い物なので、よいところも不便なところも正しく伝えることが大切です。住み始めてから困らないように、お互いの約束を確かめます。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約661万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)少し下がる幅:下がる〜少し上がる
収入
検索・申込・契約事務の自動化が仲介手数料の競争を強める一方、取引の難しい中古住宅や権利調整は付加価値になる。地域と成約件数の差が大きいため実質収入は小幅減を中心とした。
需要
人口減少と標準的な賃貸仲介の省人化が人員を抑える方向に働く。住み替えや古い住宅の調査・売却支援は残るため、全国で小幅減を中心としながら地域差の幅を残した。
人による差
人による差が広がる

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今の不動産仲介の仕事

今
  • 売却・賃貸物件の調査と査定登記事項、建築年、管理状況、周辺の成約事例などを確認し、売出価格や賃料の目安を提案する。
  • 内見案内と現地確認部屋の日当たり、騒音、共用部分、周辺の道路状況を内見者と一緒に確かめ、希望との違いを聞く。
  • 権利関係・用途制限等の調査登記事項証明書、都市計画・建築上の制限、接道、管理規約などを調べ、取引前の説明に備える。
  • 価格・引渡条件の調整売主・買主の希望を照らし、設備修理、残置物、引渡日、契約不適合責任の条件を整理する。
  • 重要事項説明と契約・決済支援宅地建物取引士による重要事項説明を手配し、契約書類、手付金、登記・引渡しの段取りを確認する。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 条件検索と物件候補の絞り込み 確からしさ:高 駅距離、面積、価格、間取り等による候補比較は自動化しやすいが、掲載情報の正確さは別に確認する。

AIと協働

  • 成約事例からの査定の下書き 確からしさ:高 近隣の成約データを使った推定は機械に向くが、建物の維持状態、権利、地域固有の条件には現地調査が必要だ。

人が中心

  • 建物と周辺環境の現地調査 確からしさ:中 音、におい、雨漏りの形跡、管理状況など、写真や公開情報だけでは判断しにくい点の確認が残る。
  • 売買・賃貸条件の交渉 確からしさ:高 価格だけでなく、売主の転居時期、買主の融資条件、修繕分担を双方の事情を踏まえて調整する必要がある。
  • 宅建士による重要事項説明 確からしさ:中 書面の作成は自動化できても、法定の説明主体は現行法では宅地建物取引士であり、買主の疑問に応じて法的リスクを説明する責任が残る。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、不動産仲介の一日(架空)

梅雨明けの午後、五十代の不動産仲介担当・修一は、空き家になった木造住宅の玄関で靴を脱いだ。今日の内見者は、二人の子どもを育てる夫婦だ。物件案内端末は、近隣の取引価格や駅までの歩行時間を表示する。修一は画面を閉じて、まず台所の床をゆっくり歩いてもらった。湿った板が一か所だけ、わずかに沈んだ。

端末の簡易診断は『重大な傷みなし』だったが、修一は床下の確認を売主に依頼することにした。夫婦は、安い価格と庭の広さにひかれていた。ただ、家の裏には幅の狭い道路があり、建て替えの際に必要な条件を調べなければならない。修一は役所で取得した道路資料と登記の記録を示し、『現在の建物に住めることと、将来同じように建て替えられることは別です』と説明した。

夕方、事務所で売主と通話した。売主は家財の片付けを終える時期を延ばしたいと言う。買主は子どもの新学期前に引っ越したい。修一は双方の予定を聞き、引渡日をずらす案と、家財撤去を専門業者に頼む案を並べた。金額だけの自動交渉では解けない事情だった。

夜、宅地建物取引士と重要事項説明書の内容を確認し、床下の調査結果が出るまで契約を急がない方針を決めた。修一の仕事は、希望に合う家を探すだけではない。買った後に知ると困ることを、買う前にきちんと伝えることだ。夫婦には、追加調査の理由を書いた連絡を送った。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約661万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(job tag掲載の年収)
調査年
2025年
対象
job tag『住宅・不動産営業』に対応する『不動産営業員』等の職業分類に含まれる雇用労働者
税・賞与
税・社会保険料を引く前、賞与を含む
  • job tagの全国年収660.7万円を円換算した参考値。中古住宅などの仲介専業ではなく、住宅販売・不動産営業を含む分類の平均である。
  • 売買仲介と賃貸仲介では一件の報酬と取引量が異なり、歩合給と固定給の割合も勤務先によって違う。
  • 独立した不動産会社の仲介手数料売上・営業利益は、この雇用労働者の給与年収とは区別する。
  • 地域の物件価格、成約件数、経験、担当市場によって収入には大きな差がある。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 住宅検索と契約事務の省力化下がる方向

    家探しや書類の作成は、ネットでも簡単に進められるようになります。

    大人向けの詳しい説明

    物件比較、内見予約、申込と契約書作成の工数が減れば、手数料や必要な営業人数に下押し圧力がかかる。

  • 中古住宅の状態と権利の確認上がる方向

    古い家の傷みや土地の決まりを、よく調べて伝える人が必要です。

    大人向けの詳しい説明

    既存住宅の取引では管理状況、修繕履歴、接道や用途制限の説明が仲介の付加価値になり得る。

  • 人口移動と地域の取引量どちらにも動きうる

    人が集まる場所と減る場所では、売れる家の数が変わります。

    大人向けの詳しい説明

    世帯数・空き家・都市集中による地域差が、仲介件数と報酬の差を大きくする可能性がある。

  • 宅建業法と重要事項説明どちらにも動きうる

    家の売り買いでは、法律で決められた大切な説明が必要です。

    大人向けの詳しい説明

    宅地建物取引士による法定説明と書面電子化の制度は、効率化の余地と専門責任の両方を生む。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 中古住宅の調査型仲介が伸びる

    条件人口減少下でも中古住宅の改修・住み替えが進み、建物状況や権利を確かめるサービスに報酬が払われる。

    起きそうなこと物件ごとの欠陥や契約リスクを丁寧に説明できる担当者には仕事が残るが、地域によって取引量の差が広がる。

  2. 検索と契約手続きが低価格化する

    条件物件紹介、内見予約、書類作成の多くをオンラインで済ませられる。

    起きそうなこと標準物件の仲介手数料に値下げ圧力がかかり、一定の成約件数があっても担当者の収入は増えにくい。

  3. 地方の空き家取引が停滞する

    条件人口減少と相続人の事情で、売れない住宅が増え、修繕費も重くなる。

    起きそうなこと取引件数が少ない地域では仲介事業の採算が悪化する一方、空き家管理や相続支援に業務を広げる会社も現れる。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

単純な賃貸物件の検索と内見予約は、物件情報の公開やオンライン手続きが進めば担当者の作業が減る。人口や世帯の分布が変わると、新築住宅の大量販売を前提にした営業人数も従来ほど必要でなくなる地域が出る。

一方、中古住宅の劣化、共有名義、相続、土地利用の制限など、調査と説明を必要とする取引は残る。住宅を売りたい人と買いたい人の条件が合わない場合の交渉も重要だ。全国の需要は小幅減を中心にするが、大都市の住み替え市場と地方の空き家市場では必要な仕事が異なる。

働き方

不動産会社や住宅販売会社などで、売買・賃貸の物件情報を集め、売主・買主・借主・貸主と面談する。内見が多い土日や夕方に働くこともある。対象は分譲マンション、戸建て、土地、賃貸住宅などで、それぞれ調査する法令や管理書類が違う。

宅地建物取引業を営む会社には免許が必要で、事務所には一定の割合で専任の宅地建物取引士を置く義務がある。仲介営業の全員が宅建士でなければならないわけではないが、重要事項説明は有資格者の業務だ。2050年は遠隔内見・電子書類が広がっても現地確認と取引責任が残るだろう。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 住宅・土地・契約について学び不動産会社へ入る学歴を一律に限定する制度はなく、高校・専門学校・大学から不動産会社の営業に入る道がある。物件調査と売買・賃貸契約の補助を経験する。
  2. 宅地建物取引士資格試験に合格する都道府県知事が行う宅建試験に合格した後、所定の実務経験または登録実務講習などの要件を満たして登録し、宅地建物取引士証の交付を受ける。
  3. 仲介実務と重要事項説明を習得する成約事例、権利関係、重要事項説明書の作成、契約不適合責任などを実務で学ぶ。宅建士として業務を行う場合は、必要な法定講習や証の更新にも対応する。

今から伸ばしたい力

  • 登記事項と売主・貸主の権利関係を確かめる力
  • 建物の修繕履歴や設備状態を内見者へ具体的に説明する力
  • 用途地域、接道、建築制限と取引の関係を読む知識
  • 売買価格、引渡日、補修負担を当事者間で調整する交渉力
  • 都合の悪い物件情報も隠さずに伝える法令遵守の姿勢

出典と前提

最終確認日
2026年10月31日

出典

予測の前提

  • 2050年も住宅と土地の売買・賃貸があり、取引当事者を支援する仕事が続く。
  • 物件検索や書面作成の自動化が進んでも建物の現地状態や当事者の事情を人が確認する。
  • 人口移動・住宅価格・宅建法令の変更が地域別の取引と報酬へ影響する可能性を残す。

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ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。