建設・設備

配管工

はいかんこう

住宅や工場、病院などで給水・排水・空調の管を加工し、取り付け、漏れがないか試験する技術者。図面どおりに管の勾配と接合部を施工し、機器を動かして流れや圧力を確かめる。

男性の配管工が、ヘルメットと手袋を着け、固定された配管の継手をパイプレンチで締め付けている。
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はじめに

家や病院の中で水やお湯が出たり、使った水が流れたりするのは、壁や床の中に管があるからです。配管工は管を切ってつなぎ、水がきちんと流れる角度に取りつけます。取りつけたあとには、水がもれないか試して、見えないところの安全を守ります。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約523万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)少し上がる幅:少し下がる〜上がる
収入
老朽管の更新と熟練施工者の不足が続けば技術料を押し上げる一方、工場加工と下請単価の制約がある。実質収入は小幅増を中心に、地域・技能別の差が開くと見立てる。
需要
建物に水と空調を通す設備工事は残り、老朽管の更新が増える一方、新築の工場加工は現場作業を削減する。新築減少の地域差を考慮して需要は小幅増を中心に置く。
人による差
人による差が広がる

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今の配管工の仕事

今
  • 給排水・空調配管の墨出し設備図と建物の梁・壁の位置を照合し、管を通す高さや支持金具の位置に印をつける。
  • 管の切断とねじ・溶接・継手加工管材の種類に応じて所定の長さに切断し、ねじ切りや継手で接合する。
  • 排水勾配と支持間隔の調整排水が流れる傾きや、熱伸縮に対応する固定・支持金具の間隔を確かめる。
  • 水圧試験と漏水検査配管を一定の圧力で保持して接合部の漏れを確認し、検査記録に残す。
  • 衛生器具・ポンプとの接続と試運転洗面台や給湯器、循環ポンプに管をつなぎ、バルブ操作と流量を確認する。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 図面から管材と継手の数量計算 確からしさ:高 設備図面から口径、材質、継手、支持材を拾い出す作業は計算機で標準化しやすい。

AIと協働

  • 配管経路と他設備の干渉確認 確からしさ:高 三次元モデルは梁や電線と配管の衝突を見つけられるが、実際の開口や保守スペースは人が確かめる。
  • 定型現場での管材切断・搬送 確からしさ:中 工場加工と運搬機械が一部を代行できても、狭い既存建物での取付けは難しい。

人が中心

  • 漏水の場所の絞り込みと修理 確からしさ:中 圧力センサーが異常を知らせても、壁裏の傷みや継手を確認し、必要な範囲だけ直す判断は人の役割となる。
  • 既存建物での勾配と支持金具の調整 確からしさ:高 古い梁や他の設備で管が通らない場合は、流れと保守性を両立する現場施工が必要だ。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、配管工の一日(架空)

新しい小児病棟の洗面台を試したとき、水が一瞬だけ逆流した。三十六歳の配管工、拓哉は、端末に表示された流量の記録を見ながら、壁の中を通る排水管の位置を確かめた。設備図面では十分な勾配があるはずなのに、実際の水の流れは遅い。来週には病棟が使われ始めるため、天井や壁を大きく壊さずに原因を探す必要がある。

拓哉は検査口を開け、細いカメラを管へ送った。継手の近くで水がたまり、配管がわずかに下がっている。古い建物と新しい病棟をつなぐ部分で、図面にない補強材を避けたためだった。解析ソフトは細い管へ交換する案を示したが、それでは流せる水の量が不足する。拓哉は支持金具の間隔を測り直し、短い区間の高さだけ調整することにした。

昼には弁を閉め、病棟の設備担当に水を止める時間を伝えた。仲間と管を支えながら継手を外し、接合面をきれいにしてから組み直す。再び水を流す前に、接合部の水圧試験を行い、検査の数値と写真を残した。試運転では、洗面台からの水が引っかからずに流れた。

夕方、看護師が洗面台の高さを確認し、車いすの患者でも使いやすそうだと笑った。拓哉の仕事は壁がふさがれば見えなくなる。それでも水が出て、静かに流れ、必要なときに直せるようにすることが、病棟の毎日を支えている。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約523万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(job tag掲載の年収)
調査年
2025年
対象
job tag「配管工」に対応する職業分類の雇用労働者。給排水や設備配管の関連分野を含み、特定の建物や資格保有者だけの平均ではない。
税・賞与
税・社会保険料を引く前、賞与を含む
  • 厚生労働省job tag「配管工」に掲載された2025年の全国年収523.1万円を円換算した。
  • 給排水配管と空調・工場設備の配管などを含み、特定の現場分野だけの平均賃金ではない。
  • 夜間工事、出張、資格、経験年数、元請・下請の発注形態で給与に差が出る。
  • 雇用労働者の税・社会保険料控除前の年収であり、独立した配管事業者の売上や事業利益ではない。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 給水・排水設備の老朽化上がる方向

    古い水道の管を直したり取りかえたりする仕事が必要になります。

    大人向けの詳しい説明

    建物は新築が減っても維持更新が必要で、給水・排水・給湯の漏水防止と改修工事が技能需要を支える。

  • 配管ユニットの工場製作どちらにも動きうる

    管を工場で組み立てると、現場で切ったりつないだりする時間が短くなります。

    大人向けの詳しい説明

    同じ形の配管は工場加工が進み得る一方、古い建物の改修や設備交換には現場合わせが残る。

  • 建物の省エネ設備・空調更新上がる方向

    空調やお湯の設備が変わると、新しい配管を取り付ける仕事も生まれます。

    大人向けの詳しい説明

    給湯・熱交換・空調の方式変更に応じて配管の材料・口径・保守方法が変わり、施工技能の更新が必要になる。

  • 地域ごとの改修予算と移動費下がる方向

    仕事先が遠かったり、直すためのお金が足りなかったりすると、働き方が変わります。

    大人向けの詳しい説明

    人口密度の低い地域では修理需要が残っても現場間の移動負担が大きく、所得を押し下げることがある。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 老朽管の更新と技能者不足

    条件建物の給排水設備が老朽化し、漏水対策や給湯設備の更新が続く。

    起きそうなこと既存建物の配管を安全に更新できる熟練者への依頼が増え、実質賃金が上向く可能性がある。

  2. 工場での配管ユニット製作が普及

    条件新築建物では配管をあらかじめ工場で組み付け、現場の切断と接合作業を減らす。

    起きそうなこと現場の作業時間は短くなるが、省力化の利益が設備会社や建築主に帰属すると給与は伸びにくい。

  3. 地方の人口減少で新築が縮小

    条件新築住宅と公共施設が集約され、一部地域で設備配管工事の件数が減る。

    起きそうなこと維持修理の仕事は残るものの、移動距離が長くなり、現場ごとの採算にばらつきが生じる。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

給排水管や空調管は建物の中に長く残り、接合部の劣化や漏水を修理する必要がある。job tagが示す切断・接合・試験などの仕事は、既存建物の狭い場所では標準化しにくい。省エネ設備への更新にも配管の新しい知識が必要になる。

新築では工場製の配管ユニットで現場の人数が減り得るが、老朽建物の改修では施工と試験を担う人が必要だ。供給側の技能者不足も想定し、需要の中心は小幅増とする。ただし、住宅着工の減る地域では増えない可能性がある。

働き方

管工事会社や設備工事会社の社員として、住宅、商業施設、病院、工場などを訪れる。新築では設計図と工程表に沿って複数人で管を通し、改修では設備を止める時間を建物の利用者と調整する。

水圧試験や漏水修理では夜間・休日に作業することもある。狭い天井裏や機械室で体を使う仕事だが、2050年には管材運搬や図面照合の機械化が進むと考えられる。それでも現物の傷みを見て修理方法を決める出張は残るだろう。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 配管の基礎と建築設備を学ぶ高校の設備工業系学科、職業訓練、設備工事会社の見習いなどから始められる。入職自体に一律の国家資格は必須ではない。
  2. 給排水・空調の現場で接合と試験を経験する管の材質、切断・ねじ切り・継手接合、勾配、支持、漏れ試験を覚え、作業内容に応じた安全教育を受ける。
  3. 配管技能士や関連資格を目指す国の技能検定の配管職種で「配管技能士」を目指せる。給水装置工事主任技術者や管工事施工管理技士は工事の内容や役割に応じて関係する別資格だ。

今から伸ばしたい力

  • 材料ごとに管の切断・ねじ切り・接合を使い分ける技能
  • 排水勾配と支持金具の間隔を図面どおり調整する力
  • バルブ・ポンプ・給湯器の流路を理解する力
  • 水圧試験から接合不良や漏水を見つける観察力
  • 既存設備を止める手順を利用者と協議する説明力

出典と前提

最終確認日
2026年10月31日

出典

予測の前提

  • 給排水・空調の老朽管の修繕と更新が2050年も必要とされる。
  • 新築では配管の工場加工が進むが、改修現場の狭い場所に一律導入できない。
  • 人手不足と設備会社の価格交渉力が所得を左右し、機械化の利益は全員へ均等には配分されない。

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