医療・福祉

保育士

ほいくし

保育所などで子どもの生活と成長を支える仕事。食事、遊び、睡眠、健康や安全を見守り、保護者と協力して子どもの育ちを支える。保育計画や記録、行事の準備も行う。

保育園の部屋で、20代の男性保育士が幼児二人と床に座り、積み木を重ねて遊んでいる。子どもたちは保育士の手元を見ながら積み木に手を伸ばす。
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はじめに

小さな子どもが安心して遊び、ご飯を食べ、眠れるように手伝うのが保育士です。けがや体調の変化を見逃さず、子どもの「やってみたい」を応援します。おうちの人に一日の様子を伝えたり、みんなで楽しめる遊びを考えたりすることも大切な仕事です。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約428万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)少し上がる幅:下がる〜上がる
収入
こども家庭庁は公定価格上の人件費改善を続けており、保育人材を確保する政策は賃金の押し上げ要因になる。一方、少子化と地方財政、施設の経営、物価の上昇によって実質の伸びは抑えられ得るため、小幅な改善を中心とした幅の広い見立てとした。
需要
こども家庭庁は人口減少に合わせた保育制度の見直しを進めている。子どもの数の減少は保育の総需要を押し下げる方向だが、共働き、一時的な通園、手厚い配置の制度によって需要が維持される地域もあり得る。

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今の保育士の仕事

今
  • 身の回りの支援食事、排せつ、着替え、睡眠など、年齢や成長に合わせて生活を助ける。
  • 遊びと発達の支援遊びや活動を通じて言葉、体、社会性の育ちを支える。
  • 健康・安全の管理体調を観察し、衛生管理、事故防止、避難対応を行う。
  • 保護者への連絡・相談家庭と子どもの様子を共有し、子育ての相談に応じる。
  • 保育計画と記録発達状況を踏まえて計画を立て、活動と成長を記録する。
  • 職員・関係機関との連携職員同士で情報を共有し、必要に応じて医療や福祉と協力する。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 連絡帳や定型記録の下書き 確からしさ:高 現在も保育士は記録や保護者への連絡を行う。入力を支援するICTの普及が進められており、定型的な文章の下書きは自動化しやすい。
  • 配置・勤務計画の事務 確からしさ:中 公定価格や配置基準などの制度に沿った事務がある。人員表の作成や欠員の通知などはデジタル化が進む可能性がある。

AIと協働

  • 活動計画と個別支援案の検討 確からしさ:中 子どもの発達や保護者の事情に応じて保育計画を調整する必要がある。AIが候補を示しても、子どもの状況を知る保育士が判断する。
  • 安全記録・見守りの補助 確からしさ:中 保育現場では安全管理と記録が求められる。センサーや記録支援が普及しても、事故防止の判断や緊急時の対応は現場の人が担う。
  • 特別な支援が必要な子どもへの対応 確からしさ:中 障害児保育や医療的ケア児への支援は専門職との連携が必要となる。情報共有の補助にAIを使いつつ、現場の判断と関係づくりを重視する。

人が中心

  • 食事・着替え・遊びの援助 確からしさ:高 乳幼児への保育は身体的な支援と、その場の反応に合わせた関わりが必要である。道具が進歩しても人による関わりが重要と見込む。
  • 保護者の相談と信頼づくり 確からしさ:高 家庭ごとに事情や不安が異なり、継続的な対話が必要である。説明資料の作成は支援されても関係づくりは人が中心となりやすい。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、保育士の一日

朝7時半。保育士の結衣は、駅から少し歩いた保育所に着いた。今日の担当は二歳児のクラス。玄関の端末には夜間に保護者から届いた連絡がまとめられている。AIが「昨夜、寝つきが遅かった子」を印で示していたが、結衣は原文も読み直す。いつもと違う様子があれば、直接聞くことが大切だからだ。

登園した子どもが、靴を脱ぐのを嫌がって泣き始めた。端末には対応例が表示されたが、結衣は目線を合わせ、昨日楽しんだ砂遊びの話をした。しばらくして、その子は自分で靴に手を伸ばす。急がせなかったことで、朝の空気が少しやわらいだ。

午前中は園庭へ出る。日陰の温度や水分補給の時間は設備が知らせてくれる。それでも転びそうな子を支え、虫を見つけて集まった子どもたちの声に耳を傾けるのは保育士だ。近くで遊べずにいる子には、無理に輪へ入れず、一緒に葉っぱを拾うところから始めた。

昼食では食物アレルギーの確認がある。配膳画面と職員同士の声かけで、対象の子の食事を確かめた。午後の休憩中、結衣は記録の下書きを見直す。AIは『集団活動に参加した』と書いていたが、その子は途中まで見ていただけだった。『初めは離れて見学し、最後に短時間参加した』と直す。小さな違いでも、成長を伝える言葉には大切な意味がある。

夕方、迎えに来た保護者が仕事との両立で悩んでいると話した。結衣はすぐに答えを出さず、話を聞く。必要なら相談できる窓口も一緒に調べられると伝えた。帰りの準備を終えるころ、明日の遊びの候補が端末に並んでいる。結衣は子どもたちが今日集めた葉っぱを思い出し、明日はそれを使って色を比べる遊びにしようと決めた。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約428万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(job tag掲載加工値)
調査年
2025年
対象
job tagの保育士に対応する職業分類の一般労働者。job tag FAQによると統計は常用労働者10人以上の民営事業所を対象とする。
税・賞与
税・社会保険料控除前、賞与等込みの年収
  • job tagの全国年収427.6万円の掲載値を円換算したもの。
  • job tagの賃金統計は原則として民営事業所の結果であり、地方公務員として勤務する公立保育所の保育士は代表しない。
  • 短時間勤務の保育士や個人の勤務形態による収入差を一つの平均で示すものではない。
  • こども家庭庁の平均賃金(月収換算)は役職者除外など条件が異なり、job tagの年収と単純には比較できない。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 公定価格と処遇改善上がる方向

    国が保育に使うお金を増やすと、お給料にもつながりやすい。

    大人向けの詳しい説明

    こども家庭庁は公定価格上の人件費を改定し、処遇改善等加算を設けている。ただし改定率がそのまま個人の実質賃金の伸びを意味するわけではない。

  • 出生数と地域の人口下がる方向

    子どもが減る地域では、園の数や働く場所が変わるかもしれない。

    大人向けの詳しい説明

    地域の出生数や移住の動きに応じて保育施設の需要が変わる。利用児童減により施設の統廃合が起きれば、転職や移動の負担にも影響する。

  • 共働き・多様な保育ニーズ上がる方向

    仕事と子育てを両立する家庭が増えると、保育の役割が広がる。

    大人向けの詳しい説明

    就労支援や一時的な通園、障害児保育などの政策によって保育サービスの内容が変化する可能性がある。児童人口が減っても一人当たり支援時間は同じとは限らない。

  • 人材確保と労働条件どちらにも動きうる

    安心して長く働ける園ほど、先生が集まりやすい。

    大人向けの詳しい説明

    保育現場の人手不足や離職への対応が処遇改善につながる一方、配置基準と財源による制約も受ける。休暇や研修の確保は賃金以外の重要な条件である。

  • ICT・AIによる事務省力化どちらにも動きうる

    書類の仕事が減っても、その分お給料が増えるとは限らない。

    大人向けの詳しい説明

    記録や保護者連絡のデジタル化で事務負担が軽くなっても、余剰時間が保育の質・職員配置・施設運営費のどこへ配分されるかで収入への効果は変わる。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 保育の質と処遇が重視される

    条件職員配置の改善や処遇改善への財源が継続して確保され、保育士の定着につながる。

    起きそうなこと公定価格への上乗せが働く人の賃金へ確実に届けば、実質収入を支える可能性がある。物価がそれ以上に上がる場合は改善が相殺される。

  2. 地域で需要が分かれる

    条件人口減少が進む地域と、共働き世帯・個別支援の需要が続く地域で園の運営環境が分かれる。

    起きそうなこと配置の見直しや小規模保育などで働き方は変わる。公定価格や地方財政の条件によって収入の変化は異なる。

  3. 財源制約と統廃合が進む

    条件出生数の減少で利用児童が減り、財源が厳しくなり、保育施設の再編が進む。

    起きそうなこと一部地域では求人が減ったり勤務先が統合されたりする可能性がある。ICTによる事務省力化が進んでも、その利益が賃金に回るとは限らない。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

こども家庭庁は人口減少を踏まえた保育制度の見直しと、保育人材の確保を同時に進めている。出生数が減れば、地域によって施設数や保育士の求人が減る可能性がある。一方、共働き家庭の利用、障害児保育、一時的な通園など、保育の内容や一人の子どもに必要な支援は変わる。

2050年の全国の保育士への需要は、子どもの人数だけで決まらない。職員配置基準、保育時間、地方財政、ICTの普及などの条件が重要になる。現時点の資料から職種全体の2050年の需要人数は算出できない。人口減少による減少方向を中心に置くが、地域と制度変更による幅は大きい。

働き方

保育士は民間・公立の保育所、認定こども園、児童福祉施設などで働く。早朝・夕方のシフト勤務もあり、職場によって土曜勤務や休憩の取りやすさが異なる。食事や着替えの支援、避難時の対応など身体を使う場面が多く、子どもや保護者への丁寧な対話も欠かせない。

2050年には記録作成や予定調整をICTが支援する可能性があるが、子どもの気持ちや体調をその場で読み取り、安全を守る仕事は引き続き人の判断が重要だと考えられる。地域によって子どもの数が違うため、就職先や施設の規模に差が出るだろう。賃金は公定価格や施設運営の条件に左右され、民間施設の統計と地方公務員の給与を混同してはいけない。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 学校で学ぶ高校までの学びに加え、人の発達や健康、社会の仕組みに関心を持つ。
  2. 指定保育士養成施設で学ぶ大学・短期大学・専門学校等の指定施設で所定の課程を修了し、資格取得を目指す。
  3. 保育士試験を受ける受験資格を満たして保育士試験に合格するルートもある。最新の受験資格を確認する。
  4. 登録して働く保育士登録をして保育所や児童福祉施設などで働く。
  5. 経験を積み専門性を高める乳児保育、障害児保育、保護者支援、主任などの役割に応じて研修を重ねる。

今から伸ばしたい力

  • 子どもの変化に気づく観察力
  • 相手に合わせて伝える力と話を聴く力
  • 安全・衛生の基本と緊急時に落ち着いて動く力
  • 遊びや活動を考える創造力
  • 職員・保護者・専門職と協力する力
  • デジタル記録を確認し、間違いを見抜く力

出典と前提

最終確認日
2026年10月29日

出典

予測の前提

  • 2050年も保育士の資格制度と子どもの安全を重視する保育サービスが続く。
  • 人口減少が全国一律の保育需要減少になるわけではなく、地域差と制度変更が大きい。
  • AIの文書作成支援が進んでも子どもへの直接的な関わりの全てを代替するわけではない。
  • 公定価格の改定が働く人の実質賃金にどれだけ届くかは不確実である。

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ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。