理容師
りようし
理容所で客の髪を切り、毛量や頭の形に合わせて形を整え、洗髪や顔そり、ひげの手入れを行う仕事。希望する髪型を聞き、はさみ、バリカン、かみそりを使い分け、皮膚の状態と衛生に気を配る。

はじめに
髪を切るだけでなく、ひげや顔をきれいに整える仕事です。お客さんの頭の形や髪のくせを見ながら、はさみやバリカン、かみそりを使います。肌を傷つけないよう道具を清潔に保つことも大切です。おじいさんになっても通い続ける人がいる、地域に根ざした仕事でもあります。
2050年の見通し
2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。
- 収入
- 理容師免許を持つ人の顔そりや衛生管理の技術には対面の価値が残り、適正に値上げできれば実質所得を維持できる。一方、低価格競争と店舗家賃の負担があり、全国一律の上昇は見込まず横ばいを中心にした。
- 需要
- 人口減少で来店客は減る可能性があるが、job tagが挙げる高齢者施設等での施術には需要が残る。地域ごとの店の撤退や担い手不足もあり、全体は小幅減を中心に幅を持たせた。
- 人による差
- 人による差が広がる
今の理容師の仕事
- カウンセリングと頭髪・頭皮の確認髪のくせ、頭の形、肌の状態を見ながら、長さや耳周りの仕上がりを客と相談する。
- シザー・バリカンによる刈り上げはさみとコームで長さを整え、バリカンで襟足やもみあげの濃淡をなじませる。
- 顔そりとひげの輪郭づくり蒸しタオルなどで皮膚を整え、適切な角度でかみそりを動かして顔や首元の毛をそる。
- 洗髪と整髪切った髪を洗い流し、毛流れに合わせてドライヤーや整髪料で仕上げる。
- 器具の消毒と理容所の衛生管理はさみ・くし・かみそり等を決められた方法で洗浄・消毒し、使用済みの替刃を安全に処理する。
2050年、仕事はどう分担される?
業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。
AI・ロボットが中心
- 予約と顧客の好みの記録 確からしさ:高 次回予約の案内や過去の注文の整理はシステム化しやすく、施術前の確認時間を短くできる。
AIと協働
- 髪型の画像による事前相談 確からしさ:高 顔や頭の形に合わせた髪型案を画面に出せても、髪質や伸び方を直接触って確かめる必要がある。
- バリカンによる均一な長さの調整 確からしさ:中 一定の長さに刈る補助機器は進歩し得るが、耳や皮膚の近くで動かすには安全確認が必要になる。
人が中心
- かみそりによる顔そり 確からしさ:中 皮膚の薄さ、しわ、ひげの生え方が人ごとに違い、刃を当てる角度と力を細かく変える必要がある。
- 客との会話を通じた仕上がりの微調整 確からしさ:中 前髪の数ミリの違い、顔周りの印象、鏡を見た本人の反応に応じた微調整は対面の技術が中心となる。
2050年の一日
2050年、理容師の一日(架空)
商店街の理容所に、午後三時を過ぎてから八十代の常連客がやって来た。五十代の修司は鏡の前に椅子を用意し、いつもより背もたれを少し起こす。客は来週、ひ孫の入学祝いで家族写真を撮るという。昔の写真を小さな端末に映し、「こんなふうに横をすっきりさせたい」と笑った。修司はその写真を見ながら、今の髪の量なら形を少し変えようと提案する。
予約システムには、前回の刈り上げの長さも残っている。だが修司は数字どおりに切り始めなかった。耳の後ろの髪が前より細くなり、頭皮も乾燥している。コームで髪を起こしてからはさみを入れ、首に負担がかからないよう途中で椅子の角度を直した。仕上がり予想の画面では均一に見える部分も、現物では左右の毛流れが異なる。
顔そりの前には、肌の赤い部分を避けると説明した。蒸しタオルを当て、ひげが生えている方向を指先で確かめながら、刃を一度ずつ短く動かす。客が「ここだけ少し残して」と指した口元は、無理にそらず小さなはさみで整えた。終わると消毒する道具を分け、使い終えた刃を専用容器に入れた。
鏡の中の客は、初めは昔の写真と見比べていたが、やがて端末を伏せた。「今の顔には、こっちの方がいいね」。修司は襟足をもう一度だけ確かめ、帰り道で帽子をかぶっても崩れにくいよう整髪料を控えめにした。切った髪の量より、本人の暮らしに合った形を作れたことが、今日の仕事の手応えだった。
収入
平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。
今の年収
約389万円(年収・平均値)
- job tagに掲載された令和7年の全国年収388.5万円を円に換算した値で、理容師等に対応づけられた職業分類の統計である。
- 個人経営の理容所の売上高は、雇用労働者の税引前の年収と異なる。店舗の家賃や光熱費、材料費を引く前の売上と混同しない。
- 理容所の規模、地域、指名客の数、管理理容師の経験などで賃金や事業所得は異なる。
- job tagが同時に示す求人賃金月額29.5万円は求人募集の指標であり、賞与込み年収388.5万円とは集計対象が異なる。
収入を動かすもの
AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。
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人口減少と固定客の世代交代下がる方向
街に住む人が減ると、髪を切りに来る人も少なくなるかもしれません。
大人向けの詳しい説明
固定客の高齢化と地域人口の減少は利用回数に影響する。ただし都市部と過疎地域の違いが大きい。
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顔そりと手による仕上げの価値上がる方向
顔や首の皮膚を見ながら丁寧にそる技術は、手で行う大切な仕事です。
大人向けの詳しい説明
細かなひげの輪郭づくりと肌に応じた施術は、定型的なカット機器と差別化しやすい。
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店舗の家賃と低価格店の競争下がる方向
お店の家賃や道具の代金が高くなると、もうけが減ることがあります。
大人向けの詳しい説明
技術料を改定できるかと店舗の固定費の上昇が、賃金よりも独立店の事業所得に強く影響する。
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高齢者のケアと訪問のニーズどちらにも動きうる
お店に来にくい人にも、身だしなみを整えたいという願いがあります。
大人向けの詳しい説明
job tagは高齢者施設や個人宅へのサービス需要に触れるが、訪問には法令上の要件や移動費用が関わる。
2050年の3つのシナリオ
未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。
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身だしなみの対面技術が評価される
条件顔そりや細かな刈り上げを継続利用する客が多く、適正な料金改定が受け入れられる。
起きそうなこと衛生管理と技術を持つ理容師は、人数が減っても一人当たりの実質収入を維持・改善できる可能性がある。
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低価格店と自宅カットが広がる
条件単純なカットを補助する機器が普及し、価格を重視する客が増える。
起きそうなこと短時間の刈り上げだけに依存する店は価格競争が強まり、店員の実質収入が伸びにくくなる。
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高齢者への細やかな対応が増える
条件地域で高齢者が増え、来店を支援する仕組みや条件を満たす出張理容への需要が高まる。
起きそうなこと利用者の身体状況に合う施術の価値は上がるが、移動時間と地域の支払能力によって採算に差が出る。
働き方と暮らし
人手は足りる? 余る?
髪を切る、ひげを整える、顔をそるという仕事には、客の頭や肌の状態を直接確かめる工程がある。機器で補助できる範囲が増えても、皮膚の安全と本人の希望を確かめる施術は残る。job tagは高齢者施設や家庭でのサービス需要の広がりにも言及している。
一方、国内の人口が減り、客が少ない地域では理容所が統合される可能性がある。地域によっては理容師側も高齢化して店が減り、利用者の減少と人手不足が同時に起こり得る。国内全体の需要は小幅減を中心に考えるが、地域と施術内容によって違いが大きい。
働き方
商店街の個人理容所、住宅街の家族経営店、駅前の低価格チェーンなど働く場所はさまざまだ。開店前に器具を整え、施術中は立ち仕事が続く。独立して店を持てば営業時間を決めやすい反面、家賃、光熱費、衛生管理、予約対応も経営者の仕事になる。
土日や夕方には来店が集中しやすく、休日の設定は店舗によって異なる。理容師として働くには国家試験合格後の免許登録が必要で、管理理容師の資格や所定の衛生管理の役割もある。高齢者の施設や家庭で施術する場合も、自由にどこでも営業できるわけではなく、法令の条件に従う。
この仕事に近づくには
進路と資格
- 高校卒業後などに指定理容師養成施設へ進む厚生労働省による通常課程の修業期間は昼間・夜間2年以上、通信3年以上。入所には原則高校卒業資格を要するが例外もある。
- 理容師国家試験を受けて免許を取得する指定の養成施設を卒業して理容師国家試験に合格し、理容師名簿への登録・免許申請を済ませてから理容師として働く。
- 施術経験を積み管理理容師も目指す理容師免許取得後に日本国内で3年以上実務経験を積んだ人は、所定の管理理容師講習を受ける資格を得られる。店の衛生管理の責任も学ぶ。
今から伸ばしたい力
- はさみとコームで髪の量と長さをミリ単位で調節する手先の感覚
- 頭の形・つむじ・髪のくせを見分けて刈り上げをつなぐ立体の見方
- かみそりの角度と力を変え、皮膚の状態に合わせてそる技術
- 理容器具の洗浄・消毒と使い捨て刃の安全な処理を続ける習慣
- 鏡を見た客の希望を聞き、過度な施術を勧めず仕上がりを相談する力
関連する職業
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生活サービス 美容師 美容室で髪を切り、カラーやパーマ、ヘアセットなどを行う。お客さんの希望や髪・頭皮の状態を確かめ、技術と接客で似合う髪型を提案する仕事。
2050年の収入ほぼ変わらない -
生活サービス エステティシャン 顔や体の皮膚を手技や化粧品、専用の機器で手入れする美容サービスの専門職。肌の状態と希望を聞き取り、フェイシャルやボディケアなどの施術を組み立て、安全性を確認しながら提供する。
2050年の収入少し下がる -
生活サービス 美容部員 百貨店や化粧品専門店などの売場で、肌の悩みや仕上がりの好みを聞き、スキンケア用品やメイク用品を提案・販売する仕事。色や質感の試用、使い方の実演、売場づくり、在庫管理も担う。
2050年の収入少し下がる
出典と前提
出典
- 理容師|職業詳細(job tag)(厚生労働省)、2026年10月30日取得 はさみ・顔そり・衛生管理・働き方、2025年の全国年収を参照
- 理容師・美容師免許の取得まで(厚生労働省)、2026年10月30日取得 指定養成施設の修業年数、国家試験受験資格、免許登録の流れを確認
- 管理理容師講習の受講資格・応募方法(公益財団法人理容師美容師試験研修センター)、2026年10月30日取得 免許取得後3年以上の実務経験という管理理容師講習の受講要件を確認
予測の前提
- 2050年も髪とひげを整える対面サービスを利用する人がいる。
- 小型機器がカットを補助しても、皮膚に刃を当てる施術では安全と衛生への責任が残る。
- 人口や家賃の変化は都市部と地方で異なり、店舗収入の差が広がり得る。
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