食・農

農業従事者

のうぎょうじゅうじしゃ

作物を育て、収穫し、食料として届ける仕事。土や水、天候、生育の状態を見て作業を進める。農業には作物や家畜による多くの分野があり、経営、販売、機械の管理も大切になる。

畑で、男性の農業従事者が、葉の茂った野菜を両手で確かめながら収穫している。作業帽と手袋をつけ、野菜の育ち具合を丁寧に見ている。
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はじめに

お米や野菜、果物などを育て、食べる人に届ける仕事です。毎日同じことをするのではなく、天気や育ち方を見て作業を変えます。機械や記録を使うことも増えています。生き物の小さな変化に気づく力と、費用や売り方を考える力が役立ちます。

2050年の見通し

2050年編集部の見立て

2050年の収入が、この職業の今の収入と比べてどう変わりそうかを示します。物価の上昇を差し引いた実質の変化です。

今の年収約361万円平均値・2025年の統計
2050年(物価の上昇を除いて)少し上がる幅:下がる〜上がる
収入
省力化と経営の集約で一人当たりの生産性が上がる力を、費用増による下押しよりやや強く見る。ただし機械費を回収し、販売利益が雇用者の賃金へ配分されることが条件で、不作や価格次第では下がる。
需要
政策は機械・意思決定支援による労働時間削減を目指しており、同じ食料生産を少人数で担う力がある。生産の維持や高付加価値化は支えになるが、人手不足を総労働需要の増加とはせず減少を中心にした。
人による差
人による差が広がる

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今の農業従事者の仕事

今
  • 栽培の計画作る作物、時期、資材、売り先などを考える。
  • 土と苗の準備作物に応じて土づくりや種・苗の準備を行う。
  • 生育管理水、肥料、病害虫や雑草などを管理する。
  • 収穫と出荷時期を見て収穫し、品質を分けて出荷する。
  • 設備と経営の管理機械、収支、販売、人の配置などを管理する。

2050年、仕事はどう分担される?

2050年編集部の見立て

業務ごとに、2050年にだれが主に担いそうかを3つに分けました。職業そのものが「なくなる確率」ではありません。

AI・ロボットが中心

  • 生育・気象記録の整理 確からしさ:高 観測データを集める作業は支援しやすいが、測定漏れや故障を確認する必要がある。
  • 規格に合う機械作業 確からしさ:中 区画や作物がそろう場所では省人化しやすく、地形と投資費用が条件になる。

AIと協働

  • 水や肥料の計画 確からしさ:高 意思決定の支援が開発されており、実際の圃場の状態と合わせて判断する形を想定する。

人が中心

  • 不調と災害への対応 確からしさ:中 生き物と地域ごとの変化に応じ、作業を組み替える必要がある。
  • 販売と共同作業の調整 確からしさ:高 売り先や地域の水・農地の管理を相談する仕事が残ると考える。

2050年の一日

2050年架空の一日

2050年、農業従事者の一日(架空)

朝6時、農業法人で働く美咲は水田の記録を見る。遠隔の装置は水が足りていると示していたが、一枚だけ稲の色が気になった。現地へ行くと、装置の近くと端のほうで水のたまり方が違う。画面の平均だけでは見えない変化だった。

午前中、自動の農機が作業を進める。美咲は安全な区域を確認し、別の田の状態を調べる。使う機械が増えても、畑の形や道の条件が変わるわけではない。

午後は雨の予報を受けて、収穫の順番を相談した。AIの案では効率がよくても、受入れ先の都合が合わない。販売担当と連絡し、品質を守れる順番へ変える。

夕方、機械の利用料と今日の作業時間を記録する。少ない人数で作れても、費用が大きければ残るお金は増えない。美咲は明日の天気を確かめ、苗のころから見てきた田をもう一度歩いた。

収入

平均の年収だけでは、その仕事の収入は分かりません。働き方や経験、地域、独立しているかどうかで大きく変わります。

今の年収

今統計

約361万円(年収・平均値)

調査
令和7年賃金構造基本統計調査(job tag掲載の加工値)
調査年
2025年
対象
job tag「稲作農業者」に対応する職業分類の一般労働者(雇用者)
税・賞与
税・社会保険料控除前、賞与等を含む
  • 「稲作農業者」の全国年収360.8万円を円に換算した。職業分類の対応統計で、その職業だけの厳密な集計とは限らない。
  • 独立事業者の売上・事業所得や、新人の初任給を示す値ではない。
  • job tag「稲作農業者」のページを使用。農業の代表場面も稲作に置いた。畜産や施設園芸などを同じ労働条件として扱わない。
  • 稲作・畑作作業員等に対応する雇用者側の統計であり、独立農家の農業所得ではない。農家の売上や家族全体の所得とも異なる。
  • 家族経営が多い分野のため、この統計が農業従事者の多数派をそのまま代表するとは限らない。独立経営では資材・設備・地代等を差し引いて考える。

収入を動かすもの

2050年編集部の見立て

AIで仕事が速くなっても、収入が上がるとは限りません。何が収入を押し上げ、何が押し下げるかを並べました。

  • 機械とデータの利用どちらにも動きうる

    少ない人で育てられても、道具の費用がかかる。

    大人向けの詳しい説明

    スマート農業は労働時間削減と収益向上を目指すが、投資回収は条件次第である。

  • 栽培・経営の技能上がる方向

    作物とお金の両方を考えられる力が役立つ。

    大人向けの詳しい説明

    品質、機械の運用、販売をつなぐ技能が利益を支える可能性がある。

  • 価格と天候・資材下がる方向

    作物が育たなかったり材料が高かったりすると大変。

    大人向けの詳しい説明

    収穫量、販売価格、資材費、取引条件や支援制度が所得を左右する。

2050年の3つのシナリオ

2050年編集部の見立て

未来の収入はひとつの数字では言えません。条件ごとに分けて、どうなれば収入がどう動くかを考えます。

  1. 省力化を所得につなぐ

    条件農地や機械の共同利用と販売の改善が進み、費用を回収できる。

    起きそうなこと一人当たりの担当範囲と利益が増え、技能のある働き手へ賃金が配分され得る。

  2. 省力化で人数を補う

    条件担い手が減るなか、同じ生産を少人数で支える。

    起きそうなこと生産は維持できても、雇用数や全員の収入が増えるとは限らない。

  3. 費用と天候に圧迫される

    条件資材・機械の負担や不作が重なり、価格へ転嫁できない。

    起きそうなこと売上があっても所得が減り、地域・作物・経営規模による差が広がり得る。

働き方と暮らし

2050年編集部の見立て

人手は足りる? 余る?

農林水産省の戦略は、機械と栽培管理の意思決定支援で労働時間を減らし、生産性・収益を上げることを目指す。政策目標を、どの農家でも利益が上がる実績として扱わない。

食料生産の必要性は続くが、機械化や共同化は同じ生産に必要な労働時間を減らす。中心では労働需要の減少を見込む。地域で担い手が不足することは、仕事の総量が増えることと別であり、経験者が必要とされる地域も残る。

働き方

法人等に雇われる道と、農地を確保して独立経営する道がある。作物によって繁忙期と収入の時期が異なり、天候に合わせた早朝や休日の作業もある。ここで紹介する稲作と、畜産・果樹等では暮らしの条件が違う。

独立には農地、機械、資金、地域の水や共同作業への理解が必要になる。将来も、機械の購入だけでなく共同利用や作業委託を比べ、売上と経費を分けて継続できる形を選びたい。

この仕事に近づくには

今

進路と資格

  1. 農業を体験する季節ごとの作業を知り、栽培と安全の基礎を学ぶ。
  2. 学び方を選ぶ農業高校、農業大学校、大学、研修、農業法人で働く等の道がある。
  3. 雇用と独立を比べる独立の場合は農地、設備、資金と販売先を含めて計画する。必要な手続きは地域や経営内容で異なる。

今から伸ばしたい力

  • 作物や土の変化を観察する力
  • 記録と天候を読み作業を組み替える力
  • 機械を安全に扱う力
  • 原価と販売を考える力
  • 地域や取引先と協力する力

出典と前提

最終確認日
2026年10月29日

出典

予測の前提

  • 食料を継続して生産し地域の農地を管理する必要がある。
  • 機械化は作物・地形・区画・資金条件で異なる。
  • 現行の米価や支援制度を2050年まで固定しない。

このページの更新

  • 初稿を公開

ラベルの意味や予測の限界は「予測の読み方」で説明しています。